セブン&アイnews|営業収益11兆9728億円4.9%増・経常3746億円26.1%減
(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)の2025年2月期業績は営業収益11兆9727億6200万円(対前年増減率4.4%増)、営業利益4209億9100万円(21.2%減)、経常利益3745億8600万円(26.1%減)、当期純利益1730億6800万円(23.0%減)。
ただし、2024年10月10日に発表した業績予想修正に対しては、対計画比で営業収益100.8%、営業利益104.5%となった。
セグメント別では、国内コンビニエンスストア事業の営業収益は9041億5200万円(前年同期比98.1%)、営業利益は2335億5400万円(93.2%)。
中核企業であるセブン-イレブン・ジャパンは「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客さまへの新たな買い物体験の提供」、「品質と価格を両立した価値の提供」など、客層拡大と来店頻度向上に向けた取り組みを実施した。デリバリーサービス「7NOW」は全国展開に向けた取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上の施策に取り組んだ。
また、2024年2月29日にオープンした新しいコンセプトの店舗「SIPストア」では顧客の潜在ニーズの特定と、さまざまな検証で得られた知見を2025年1月から、埼玉県内の約20店舗でテストを開始している。前年度は「品質と価格を両立した価値の提供」による来店頻度向上施策と新規客層拡大施策が奏功したことで、既存店売上げ、客数は前年を上回り、自営店と加盟店の売上げを合計したチェーン全店売上げは5兆3697億5600万円(100.5%)。
一方、原材料高の高騰等による商品荒利率の低下に加え、水道光熱費等のコスト上昇により、営業利益は2337億9700万円(93.1%)。
海外コンビニエンスストア事業の営業収益は9兆1707億8200万円(98.1%)、営業利益は2162億4800万円(71.7%)。北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利に加えて雇用環境の悪化に伴う労働所得の減少により消費の二極化が進み、節約志向が一層強まる中で、継続的な事業成長と資本効率の向上を目指している。
前期から「オリジナル商品の強化」、「デジタルとデリバリーの加速」、「効率性とコストリーダーシップの向上」、「店舗ネットワークの拡大と強化」という4つの施策を推進した。
また、2024年4月16日付けで米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業およびガソリン小売事業の一部の取得を完了した。前年度のドルベースの米国内既存店商品売上げは前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は3296億2000万円(83.2%)。自営店と加盟店の売上高を合計したチェーン全店売上高は、10兆4932億9100万円(102.9%)。7-Eleven International LLCは、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指している。
既存展開国では、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めている。2024年4月1日付けで、オーストラリアでライセンシーとして「7-Eleven」ブランドでコンビニ事業および燃料小売運営会社を有するConvenience Group Holdings Pty Ltd(SEA)の買収を完了し、フレッシュフードの商品開発強化と品揃えの拡大に取り組んでいる。
スーパーストア事業の営業収益は1兆4321億2600万円(96.9%)、営業利益は104億1500万円(76.7%)。イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた改革の進行中だ。2024年2月27日に稼働を開始したPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチンなどのインフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げるなど、商品の品質向上、品揃え強化、店舗の運営効率改善に取り組んでいる。
前年度は、自営売場面積の縮小等に伴い既存店売上げは前年を下回ったが、店舗閉鎖などの販管費抑制により、30億2000万円の営業利益(前年同期は12億0500万円の営業損失)。
ヨークベニマルは営業収益5037億9700万円(102.5%)。既存店活性化、デリカテッセンなどの開発および販売強化に取り組んだ。また、販売促進施策等が奏功し、既存店売上げは前年を上回った。しかし、原材料価格の高騰などの影響により、営業利益は168億1000万円(89.9%)となった。
金融関連事業の営業収益は2121億2700万円(102.2%)、営業利益は320億1500万円(83.9%)。セブン銀行の期末時点の国内ATM設置台数は2万7965台(595台増)。
預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことなどで、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.9件(3.3件増)となり、前年度のATM総利用件数は前年を上回った。同行における現金および預け金は、ATM装填用現金を含めて9031億円となった。