12月百貨店売上げは三越伊勢丹HD▲、Jフロント▲、高島屋▲、H2O◎

百貨店各社の2014年12月度の売上げ速報値が出揃った。

百貨店第1位の越伊勢丹ホールディングス。

三越伊勢丹の売上合計は昨年同月比101.1%とわずかにプラス。
これは伊勢丹新宿本店、三越日本橋店、三越銀座店の旗艦店舗と首都圏の店舗9店舗の合計だ。
ただし4月から12月までの売上げ累計では前年比99.2%。

その旗艦3店舗の概況。
伊勢丹新宿本店が昨年同月比101.6％。（4月~12月累計昨年同期比98.5％）。
三越日本橋店が94.5%（同95.3%）。
三越銀座店が109.9％（同106.8％）。
日本橋店が辛い。

三越銀座店が23カ月連続プラスとなったほか、前年が2桁増の高い伸びを記録した伊勢丹新宿本店もさらに前年売上げを上回った。

一方、地域のグループ企業の12月土売上合計は97.6％（4~12月累計97.7％）。
そのうち高松三越105.1％（103.2％）、福岡の岩田屋三越101.0％（97.8％）が100%をクリアしただけ。地方の消費はいまだ厳しい。

寒さが厳しくなる中、コートやセーターなどの冬物が好調。ハンドバッグなどのクリスマスギフトも好調。また同社では月初より春物アイテムの先行販売をスタートさせたが、こちらも伊勢丹新宿本店ではブランドの最新作がファッション感度の高いお客に反応が良かったと分析している。食品は歳暮ギフトが受注の前倒し傾向によって、12月としては前年を下回った。クリスマスケーキやおせちの売上げは好調だった。

第2位のJ.フロントリテイリング。

12月度の百貨店事業の売上高は厳しい結果。
大丸松坂屋百貨店合計では対前年99.0％、博多、下関、高地の関係百貨店を含めた百貨店事業合計では98.6％だった。

同社は8月期決算だから、9月から12月までの4カ月累計では大丸松坂屋百貨店合計では対前年同期比99.2％、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では98.9％と、これまた厳しい。

商品分野では婦人・紳士ともにウールコート、マフラー、手袋などが活発に動いたほか、訪日外国人売上げの好調により、時計や化粧品などが大幅に伸びた。一部店舗で積雪によって影響を受けたこともマイナス要因になった。店舗別では、東京店が8カ月､梅田店が6カ月､京都店が5カ月､札幌店が3カ月､名古屋店が2カ月の連続前年プラスとなるなど、直営5店舗が牽引した。
セグメント別では、百貨店業11.0％減、パルコ事業0.1％減、卸売業9.9％減。さらにクレジット事業16.5％増、その他事業は2.4％減。ＪＦＲカードのクレジット事業の好調の要因は、大丸松坂屋百貨店のお得意様ゴールドカードのクレジット化による手数料収入の増加などとしている。

百貨店第3位は高島屋。

高島屋単体（13店）の総売上高は前年同月比99.1％、子会社4店を含むグループ17店の売上高は89.9％減。

12月度の店頭売上げは、大阪店や新宿店などの都心大型店が　前年を上回ったものの、消費増税前の駆け込み需要により　売上げを伸ばした前年実績には届かなかった。
商品別では、紳士服･婦人雑貨･宝飾品･スポーツ用品･美術品等が前年をクリア。一方、前年に大きく売上げを伸ばした特選衣料雑貨･リビング用品が前年比マイナスとなり、婦人服･食料品等も　前年に届かなかった。

店舗別売上げでは、都心大型店の大阪店･新宿店が好調。郊外店・地方店では高崎店が前年比プラス。
初売り（～1月3日）は、大雪の影響が大きかった京都店等を除外すると、全体で前年比プラス。免税販売額は、前年比約2.5倍となり引き続き大幅増。

そして第4位のエイチ・ツー・オーリテイリング12月度の営業概況。

阪急阪神百貨店事業は昨年同月比101.5％と好調。
とりわけ、阪急本店が107.9％といい。阪急うめだ本店が108.1％、阪急メンズ大阪が106.8％と推移。
阪神本店は87.9%と9カ月連続で前年割れ。もっと言えば、消費増税駆け込み需要の2014年3月のみ前年クリアの状況で、厳しい数値が続いている。

一方、H2Oのスーパーマーケット事業。
阪食は107.9%とこれまた好調。
ただしイズミヤ事業は96.6％％といまだ、合併効果が出ていない。

百貨店事業は都市部店舗が、訪日外国人観光客によって好調が続いている。
しかも12月は他の業態同様、寒波襲来で冬物消費が大きく動いた。
これらが昨対クリアの大きな要因となった。

ハレの消費の12月と1月。
北日本と日本海側は大雪の影響が懸念されるが、
初売りはどの百貨店も好調だっただけに、1月の数値がどう出るか。
今年1年を占う動向に注目したい。

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