しまむらnews|17年度売上高5651億円の9期ぶり減収/主力しまむら1.3%減

(株)しまむら(埼玉県さいたま市、北島常好社長)が2018年2月期決算を発表した。期間は、2017年2月21日~2018年2月20日。

売上高5651億0200万円(前年同期比0.1%減)、営業利益428億9600万円(12.1%減)、経常利益439億2000万円(12.3%減)、当期純利益297億1700万円(9.6%減)と、9期ぶりの減収となった。

それでも営業利益率7.6%、経常利益率7.8%。

減収の要因は、主力のしまむら事業だ。売上高は4461億4100万円と1.3%減。この3年で店頭の商品在庫を2割、アイテム数を3割削減したことが裏目に出た。売れ筋商品が欠品するという状況も発生した。また、従来のチラシ主体の販促から、TVCMやWEBでの販促を強化したが、思ったような効果が得られず、顧客への訴求力も弱まった。

今期、しまむらは、プライベートブランドを「CLOOSSHI(クロッシー)」に集約した。そのうえで、新たに「CLOOSSHI Sports」「CLOOSSHI Baby」「CLOOSSHI Kids」「CLOOSSHI VALUE」の展開を始め、価値と価格のバリエーションを広げた。また婦人衣料、実用衣料の最適配置を研究し、売場レイアウトと什器、店内販促物を大幅に変更した「2016年型レイアウト」を全店へ導入した。40店舗を新設し、4店舗を閉店した。84店舗で省エネ型の改装を実施した。しまむら事業の店舗数は1401店となった。

若者向けの感度の高いファション商品を扱うアベイル事業は、売上高が507億8200万円(0.8%増)と増収だった。トータルコーディネート提案を強調するために、301店舗で主通路を拡幅するレイアウト変更を行った。12店舗を新設し、総店舗数は313店。

ベビー・子ども用品を扱うバースデイ事業は、売上高513億6200万円(0.6%増)。23店舗を開設し、2店舗を閉鎖したことで、国内261店舗を展開する。店舗網の拡大でプライベートブランドの販売量は急増している。

シャンブル事業は96億8800万円(1.8%増)。15歳~35歳の若い女性層をターゲットに、衣料品・インテリア・雑貨などのソフトグッズを提供する。「暮らしに彩りを」を新たなストアコンセプトとして、商品構成を大幅に見直し、事業の再構築を進めている。店舗数は98店。

ファミリー靴専門店のディバロ事業は5店舗を開設して16店で、5億3700万円(12.0%減)。

これら日本国内の業績は、売上高5585億1300万円(0.1%減)、営業利益434億1700万円(11.8%減)、経常利益444億1200万円(11.9%減)、当期純利益295億8900万円(11.1%減)。

一方、海外事業は、思夢樂事業と飾夢樂事業の2つだ。

台湾全域に45店を配する思夢樂事業は、売上げ16億2700万NT$(59億8700万円、6.6%増)と伸長している。上海を中心に事業展開する飾夢樂は、11店舗で売上高は3410万RMB(6億0100万円、2.7%増)。日本のしまむら商品を製造する現地工場で、中国の消費者に合わせた商品を調達するなど中国マーケット向けの品揃えを進め、8月からはEC事業もスタートしている。

【結城義晴の述懐】しまむらの2月期本決算は、9年ぶりの減収、3年ぶりの減益。打つ手打つ手がマイナスになった。売上高の8割が「ファッションセンターしまむら」だが、このフォーマットにもしかしたら「金属疲労」が来ているのか。対して、ライバルのファーストリテイリングは「ユニクロ」も「GU」も好調。こちらは8月決算だが、昨2017年9月から今年18年2月の半期の既存店は前年同期比8.4%の伸びを示す。「安いけれど安っぽい」と揶揄されるしまむら。「店頭在庫2割カット、アイテム数3割削減」は改善の王道だが、裏目に出ると「売れ筋の欠品」というひどいことになる。これは現場力の問題である。したがって、発注、陳列、整理整頓といった原点からの改革が必要となるだろう。

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧