トライアルnews|西友を完全子会社化/3820億円で全株式取得
(株)トライアルホールディングス(福岡市東区、亀田晃一社長)は3月5日(水)、(株)西友を完全子会社化することを発表した。西友の株式は、投資会社KKRが85%、米国のウォルマートが15%を保有していて、両社は全株式をトライアルホールディングスに譲渡する。同日、株式譲渡契約を締結した。譲渡実行は7月1日を予定している。
株式取得資金は3820億円。トライアルの手元資金に加えて取引銀行から新たに約3700億円の借入金を調達して手当てする。トライアルでは引き続き財務健全性を維持できると見て、株式取得のために増資等の新株発行を伴う資金調達を実施する予定はないとしている。
西友の完全子会社化により、グループの基盤である九州に加えて人口集積地である関東エリア、中部エリアおよび関西エリアでの事業基盤確立を迅速かつ効率的に実現し、連結売上高1兆円超の小売グループを目指す。
また、西友とトライアルグループの店舗は地域的に重複が少なく、退店などのディスシナジーはないとしている。「みなさまのお墨付き」、「食の幸」をはじめとした西友のオリジナル商品およびプロセスセンターやセントラルキッチン等の製造拠点を獲得することで、トライアルグループ全体の「食」の強化と生産・物流の最適化が進むことを期待している。
グループが進めるリテールAI事業では、同社グループが自社開発するタブレット決済機能付きのレジカード「Skip Cart」や顧客データの一体化を西友とともに進める。Skip Cartやインストアサイネージ等の各種デバイスの導入台数増加によって、西友とトライアルグループのみならず、メーカーや卸、物流企業を含めたサプライチェーン全体の効率化・収益性の改善が実現可能としている。