イオンnews|12月にツルハ、ウエルシアと3社統合/2032年3兆円へ

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イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)、(株)ツルハホールディングス(北海道札幌市、鶴羽順社長)およびウエルシアホールディングス(株)(東京都千代田区、桐澤英明社長)は4月11日(金)、経営統合を資本業務提携にかかる最終契約を締結した。

ウエルシアHDはツルハHDの完全子会社となり、両社合わせて売上高2兆3124億円、店舗数5659の日本最大のドラッグストアチェーンとなる。経営統合後、2032年2月期に売上高3兆円、営業利益2100億円、営業利益率7%を目指す。

提携の内容は、イオンは、自らが保有するツルハHD株式に係る議決権の数の割合が50.9%となるよう、ツルハHD株式を取得することで、ツルハHDを連結子会社とするとともに、ツルハHDは、イオングループのヘルス&ウエルネス事業を牽引する中核子会社となる。

株式交換の効力発生日は12月1日。ウエルシアHDは11月27日上場を廃止する予定。

具体的には、以下のシナジーを想定している。
① ドミナント戦略の推進・店舗開発ノウハウの共有による収益性の向上
② 中国・ASEANを始めとした海外展開の加速
③ 商品等の調達における連携
④ 電力の共同調達によるコスト削減
⑤ 共同配送による配送ルートの最適化、およびイオングループの物流機能との連携による配送コストの削減
⑥ 商品開発の連携、PB商品の開発加速・品揃え強化による収益改善
⑦ 調剤薬局事業における既存事業強化・新規事業展開による売上増

ツルハHDの鶴羽順社長は「日本最大で最良のドラッグチェーンとなる。イオンが有する食品などの知見、物流インフラをはじめとする資源とスケールメリットを最大に生かし、日本No1からアジアNo1ドラッグチェーンになりたい」。

また、提携によるシナジーは「ウエルシアHDとの統合で400億円、イオンとの業務提携で100億円、3年で計500億円の効果を見込む」(鶴羽社長)と見込んでいる。

イオンの吉田昭夫社長は「店舗、物流、情報などスケールメリットを生かし、異なる成長曲線を描かないと生き残れない時代になった。とりわけ、当社の持つ食品ノウハウは大きな事業成長に資する」と語った。

ウエルシアHDの桐澤英明社長は「われわれは調剤に強みを持ち、ツルハHDは日用雑貨の品揃えが強い。両社の強みに、イオンの食品をいち早く融合させて、より競争力のあるドラッグストアを作り上げることに取り組む」と話した。

3社は2024年2月28日付で、資本業務提携契約を締結した。その際、経営統合は2027年を目途としていたが、「米国証券取引委員会のクリアランスに関する届け出が不要になったため、その手続き分の期間が短縮された。その分スケジュールを前倒しした」という(吉田社長)。

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