イオンがレッドキャベツ(年商308億円・41店)を子会社化して九州SM連合強化

M&A

イオン㈱がレッドキャベツ㈱と資本業務提携契約を締結。

年商307億8900億円・41店舗のスーパーマーケットが、イオンの連結子会社となる。

レッドキャベツは山口県下関市に本部を置いて、山口県8店舗、福岡県22店舗、長崎県7店舗、佐賀県2店舗、熊本県2店舗。

生鮮食品のディスカウントを特徴とするやや小ぶりのスーパーマーケット企業で、店名は「巌流市場」。

1984年8月、当時のジャスコ(現イオン)で店長を務めた岩下義之氏が脱サラして創業。
ジャスコのような店づくりを志向したがうまくいかず、生鮮ディスカウンターの店舗を模索して成功。
山口県から福岡県、さらに熊本、佐賀、長崎と店舗網を広げて、41店舗のリージョナルチェーンを確立。

ところが2008年、岩下義之社長が急逝。長男の岩下良氏が代表取締役社長に就任。

しかし創業30周年の今年、九州北部の厳しい競争状況を判断して、イオンとの提携を決断。

9月22日の予定で、イオンはレッドキャベツの第三者割当増資を引き受け、同社の86.7%の株式を取得して同社を連結子会社化。
臨時株主総会の承認を経たあと、イオングループから常勤取締役3名と非常勤取締役2名並びに非常勤監査役1名が派遣される。

創業者が現イオン出身でもあって、里帰りと言ったニュアンスもあるかもしれない。

レッドキャベツの生鮮食品を中心とした地域密着の商品調達力。
そこにイオンのグローバル調達力、プライベートブランドの「トップバリュ」、 そして電子マネー「WAON」などを加えていく。

もちろん経営層の人材、財務基盤の強化といった経営資源は新生レッドキャベツの強みとなる。

今後は、イオンとその傘下にあるマックスバリュ九州㈱がレッドキャベツとの6点の融合政策協議を進める。

第一は、イオンのプライベートブランド商品の導入について
第二は、地域商材の共同仕入れについて
第三は、物流システムの共同利用について
第四は、人材交流について
第五は、イオンの小売周辺事業(総合金融サービス、総合ファシリティマネジメントサービス等)の導入について
第六は、その他、両社で合意した内容について

私は、かつて岩下義之社長下のレッドキャベツを月刊『食品商業』に掲載したことがある。当時は、生鮮ディスカウンターながら論理的な経営で、イノベーションがあった。
その後、一昨年の夏、現岩下良社長が私のアメリカ研修会に参加。交流を深めた。

いい会社にしてもらいたいと思うが、いつもこういった時には、言い続けている。
商人には「現住所と本籍地」がある。

レッドキャベツは創業者が「本籍地ジャスコ、現住所レッドキャベツ」だった。
これからは、「本籍地レッドキャベツ、現住所はイオン傘下」となる。

根底にある考え方は、ジャスコ⇒レッドキャベツ⇒イオンと貫徹されているはず。

一方、マックスバリュ九州は2002年に壽屋のくらし館を受けて、熊本に設立。
その後、2003年9月、イオングループ九州圏域スーパーマーケット連合の趣旨で、佐賀の㈱ハロー、西九州ウエルマート㈱、マックスバリュ九州が3社合併。

そこにレッドキャベツも参加していく。マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東による首都圏スーパーマーケット連合と同じ戦略趣旨である。

日本のスーパーマーケット産業はまた一つ、M&Aの階段を上った。
レッドキャベツはその歴史のページに足跡を記したことになる。

〈結城義晴〉

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