イオン傘下のドラッグストア4社統合でマツキヨを抜き業界トップへ登る構想発表

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20141023k0000m020069000p_size5〈毎日新聞撮影〉


日経新聞をはじめ各紙が報じたイオンのドラッグストア統合。スーパーマーケットの首都圏連合構想に続いて、ドラッグストアでもシェア第一の企業を目指す。

まず大事なポイントは、イオンが出資するウエルシアホールディングス(東京都千代田区)を子会社化すること。その上で、東証1部上場のCFSコーポレーション(神奈川県横浜市)とイオンの子会社で非上場のタキヤ(兵庫県尼崎市)とシミズ薬品(京都市下京区)の2社を、つまり3社をウエルシアHDの完全子会社に統合するという構想。

 

そのためにイオンは、37.37%を保有するウエルシアHDに対し、10月22日付で株式公開買い付け(TOB)を開始して年内に50.1%を取得する。取得額は200億円程度。

 

TOB成立後もウエルシアHDの東証1部上場は維持し、イオンのドラッグストアの中核会社とする。
一方でCFSコーポレーションは上場廃止の見込み。

 

そこで4社の売上げを単純に合計すると、売上高は5000億円を超えて、現在、業界トップのマツモトキヨシホールディングスを抜いて、首位に躍り出る。

 
ウエルシアHDは各地のローカルチェーンの経営統合によって企業規模を拡大させてきた。
まず1997年 7月にグリーンクロスとコアが合併し、株式会社グリーンクロス・コアが設立され、
2000年 2月に当時のジャスコ株式会社(現イオン株式会社)が業務・資本提携で加わってきた。その翌年の2001年10月にジャスダック株式市場に店頭公開で上場すると、2002年 3月には株式会社池野を吸収合併。
2004年 9月に、東京証券取引所第二部に上場し、2005年12月ウエルシア関東株式会社に社名変更

以後、2006年、株式会社いいのを吸収合併、2006年、株式会社ナカヤを吸収合併、2008年には、寺島薬局株式会社を株式公開買い付けにより子会社化、株式会社ナガタを吸収合併。
この
2008年にグローウェルホールディングス株式会社を設立し、この会社が2012年 4月 に東証一部に指定されて、現在のウエルシアホールディングス株式会社となる。

その後も、2012年、株式会社ドラッグフジイを吸収合併。
現在、ウエルシアホールディングス傘下には、ウエルシア薬局株式会社とウエルシア介護サービス株式会社(旧寺島薬局株式会社)、さらに特例子会社ウエルシアオアシス株式会社がある。

ウエルシアは、イオンにおけるスーパーマーケットの「マックスバリュ」の役割を果たしている。

 

一方の、CFSコーポレーションは、ドラッグストアの株式会社ハックイシダと、スッパーマーケットの株式会社キミサワが1993年に合併して生まれた会社。その後、1998年、株式会社ウィステリアと合併し、2000年、イオンと資本提携し、2010年にイオングループに入る。

ドラッグストア業界は価格競争が激しい。イオンは規模の拡大によって、食品や日用品、化粧品、薬品の調達力を高め、価格競争力をつけるのが狙い。また薬剤師の採用も一元化していく。

 

ただし、今日10月22日にイオンが発表したのは「『日本一のドラッグストアチェーン』の構築を目指したウエルシアホールディングス株式会社と株式会社CFSコーポレーションの経営統合に向けた合意について」。

 

ここで、イオンは、これまで医薬品と化粧品を中心に形成してきたドラッグ・ファーマシー事業を、「ヘルス&ウエルネス事業」として領域を広げ、進化させていくとしている
特に、ヘルス&ウエルネス市場は、医薬品や化粧品の分野に加え、健康食品やオーガニック食品を拡充。また介護・在宅支援等のサービス分野、そしてフィットネスや理美容の周辺機器まで、幅広い市場カテゴリーで構成していく考えだ。

 

ウエルシアHDの持つ郊外型店舗のノウハウと、CFSが持つ都市型のカウンセリング営業のノウハウを相互交流させることにより、日本最強のドラッグストアモデルをつくり上げ、「日本一のドラッグストアチェーン」の確立を目指すために、来年2015年9月1日を目途として経営統合を行うことに向けて協議を開始する。

 

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