三越伊勢丹HD代表取締役に杉江俊彦専務執行役(56歳)昇格
今日、3月7日に㈱三越伊勢丹ホールディングスの取締役会が開催されて、予想通り、代表取締役の異動が決議された。
代表取締役社長執行役員の大西洋(おおにしひろし)氏が退任し、㈱三越伊勢丹取締役専務執行役員経営戦略本部長の杉江俊彦(すぎえとしひこ)氏が代表取締役に就任する。
大西洋氏は、4月1日付で代表取締役社長執行役員から取締役に役位を変更し、6月開催予定の定時株主総会をもって取締役を退任する予定。
さらに代表取締役会長執行役員の石塚邦雄氏も同じく6月開催予定の定時株主総会で退任の予定。
新任代表取締役社長執行役員の略歴は以下。
生年月日1961年2月15日生
略歴
1983年4月 株式会社伊勢丹入社
2012年6月 同取締役常務執行役員経営戦略本部長
2013年4月 同取締役常務執行役員経営戦略本部長
株式会社三越伊勢丹取締役常務執行役員経営戦略本部長
2016年4月 同取締役専務執行役員経営戦略本部長(現任)
所有株式数1万4100株。
三越の創業は1673年、伊勢商人の三井高利が江戸本町一丁目に、「越後屋」を開業したところに始まる。「店先現金掛値無」の革新的なコンセプトで大繁盛し、江戸、明治、大正、昭和を通して、日本最大の百貨店の地位を築く。
特に1904年には、早くも株式会社三越呉服店、伝説の日比翁助が主導して、「デパートメントストア宣言」を発して、日本初の百貨店を誕生させる。
さらに1971年には日本小売業として初めて1000億円の売上高を達成。1972年にダイエーに売上高を抜かれるまで、トップに君臨。しかし1982年、 三越事件発生して、陰りを見せ、2008年に伊勢丹と経営統合して、共同持株会社「三越伊勢丹ホールディングス」を設立、同社の完全子会社となる。
一方の伊勢丹は1886年(明治19年)11月5日、初代・小菅丹治が当時の東京府神田区旅籠町に、伊勢屋丹治呉服店を創業したのが始まり。その後、1930年、株式会社伊勢丹を設立すると、1933年には新宿区新宿に移転して、本格的な百貨店として繁盛を極める。この店は日本最高の百貨店として、世界的な評価を得るが、2008年、三越と統合し、その後、2011年に㈱伊勢丹は㈱三越に吸収合併され解散。三越が商号変更した㈱見少し伊勢丹となり、㈱三越伊勢丹ホールディングス傘下に入る。
こうして統合した三越と伊勢丹の三越伊勢丹グループは、やはり伊勢丹勢が制していることが、今回のトップ人事でも明らかになった。その2016年3月期決算で1兆2873億円、経常利益367億円の日本第5位の小売業にして日本最大の百貨店をいかに立て直すか。杉江新社長は慶応義塾大学商学部卒業だから、マーケティングには精通しているはずで、その面から改革が進むのだろう。期待しよう。
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