8月6業態統計まとめ|猛暑で夏物商材好調/台風・豪雨のなか百貨店以外は増収
主要業態別の8月売上高が出揃った。百貨店、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニの小売り主要4業態に、ショッピングセンターと外食産業を加えた動向を報告する。
8月は6業態中5業態が前年同月を上回った。台風、集中豪雨、猛暑などの天候要因や、休日が1日少ない曜日回りなどが、客足に影響を及ぼした。しかし夏休み効果もあり、外食産業、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、総合スーパーは増収。百貨店だけが前年を下回った。
外食産業 +2.9%
スーパーマーケット +1.0%%
コンビニエンスストア +1.0%
ショッピングセンター +0.9%
総合スーパー +0.1%%
百貨店 ▲0.2%%
外食産業の全店売上高は2.9%増で24カ月連続。8月は、台風上陸や集中豪雨、猛暑など客数減となる要因も多かった。しかし前年に比べて雨の日が少なかったことで客数は1.0%増加した。また、価格改定や販促キャンペーン、季節メニューの訴求などで客単価の上昇により売上高は伸長。ディナーレストラン4.2%増を筆頭に、ファ―ストフード3.1%、ファミリーレストラン2.5%、居酒屋2.1%、パブ・ビアホール1.4%、喫茶1.2%と全業態が前年を上回った。
スーパーマーケットの既存店売上高は1.0%増。台風が多く発生したことで、地域によっては降水量が多かった。さらに、土曜日と祭日が重なるというマイナス要因もあった。しかし、記録的な猛暑が夏需商品を押し上げた。飲料、アイスは製造が間に合わないほどだった。また、熱中症対策の塩分補給用のタブレットや梅干しの売上げが伸長した。猛暑とは関係ないが、テレビ放映の影響で鯖缶も売れた。一方で、暑すぎて屋外でバーベキューを楽しむ人が減ったため、バーベキューセット商品などは低迷した。
コンビニの既存店売上高は1.0%増で、3カ月連続で前年を上回った。客数は0.03%増とわずかながらも30カ月ぶりにプラスに転じた。全国的に平均気温が高く、夏休みなどの行楽需要の高まりで、飲料やアイスクリーム、冷やし麺など夏物商材が伸長した。また、カウンタ―商材や弁当、惣菜・サラダ・冷凍食品などの中食が引き続き好調に推移した。
ショッピングセンターの既存店売上高は0.9%増と、2カ月ぶりに昨年を上回った。テナントは飲食が好調で1.6%増、キーテナントは1.6%減。8月は、前年より休日が1日少なかったことと、台風や猛暑など客数減少の要因もあった。しかし、夏休み期間ということでファミリー層や観光客が大量に訪れた。さらに、映画興行が好調だったことが、シネコン併設店舗にとってプラス要因となった。
総合スーパーの既存店売上高は0.1%上回った。食料品は0.9%増。農産品は相場高が後押しした。一方で、天候要因もあって衣料品は6.5%減と大きく前年を下回った。婦人衣料9.5%減、紳士衣料8.3%減と、ともに落ち込んだ。住関品は0.5%減。家電製品▲10.6%の二桁減が響いた。
百貨店の既存店売上高は0.2%減。高額消費やインバンド購買が全体を牽引し、セール・イベントによる集客効果もあったが、台風の影響や土曜日1日減などが響き、2カ月連続で前年割れとなった。主要5品目では、「雑貨」と「身の回り品」2品目が前年超え。半面、「衣料品」「食料品」「家庭用品」は前年を下回った。