3月外食産業統計|東日本大震災上回る17.3%減/飲酒業態53.5%減

日本フードサービス協会によれば、3月の外食全体の売上高は82.7%と東日本大震災の減少幅89.7%を上回る減少だった。

3月は、外食産業も新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日に大きく減少した。居酒屋・ディナーレストランなど飲酒業態を中心に、ファストフード、大型商業施設のフードコートなどの売上げにも大きな打撃となった。とくに東京都から週末の外出自粛要請が出された3月下旬に一段と客足が落ちた。

4月7日に政府が7都道府県を対象に発令した「緊急事態宣言」では、業種によっては社会機能維持のために事業継続が求められている。外食産業(食堂、レストラン、喫茶店、宅配・テイクアウト)もその範疇に入るが、その直後に東京都は、飲食店(テイクアウトを除く)などに朝5時〜夜8時の間での短縮営業と、酒類の提供を夜7時までと要請した。その後、全国の多くの自治体で東京都の要請に合わせる動きが広がったことで、外食産業でも全国的に営業時間短縮や休業に踏み切るところが増加し、4月はさらに大幅な売上減少が予想される。

ファストフードの売上高は93.1%と前年を下回った。テイクアウト、宅配、ドライブスルーなど、「持ち帰り」需要が下支えしたが、商業施設のフードコートをはじめ 店内飲食の客数が振るわなかった。「洋風」は99.1%、「和風」は92.8%と健闘したが、「麺類」は、商業施設立地の店舗の落ち込みが大きく81.4%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、弁当・惣菜、回転ずしのテイクアウトなどの持ち帰り部分の下支えがあったものの、「回転寿司」の店内落ち込みが大きく、は88.3%となった。

ファミリーレストランの売上高は前年同月比78.8%と前年を大幅に下回った。「洋風」と「和風」は、月後半にかけて客数が一段と下がった。売上高は「洋風」75.0%、「和風」69.6%。「中華」は、餃子などのテイクアウトが好調で、90.4%。これまで好調だった「焼き肉」も、 前年を下回り93.3%となった。

飲酒業態は、本来は送迎会シーズンの宴会需要が大きいはずだが、キャンセルが相次いだ。郊外立地や地域密着店などでは 当初比較的下げ幅が小さい店もあったが、2月最終週の政府の自粛要請と、3月下旬の東京都の「週末の外出自粛」要請による2段階の落ち込みで、軒並み売上げは下がり、「パブ・ビアホール」は前年の半分にとどかず、売上高46.5%、「居酒屋」は売上高58.6%となった 。

ディナーレストランも、繁華街立地の店の一部では集客がほぼ無い日があるなど、休業や時間短縮を余儀なくされる店も増え、売上高は59.5%となった。

喫茶は新型コロナの影響で、商業施設立地店の落ち込みが大きかったうえ、路面店でも客足が落ち、売上高は75.3%となった。

調査対象企業数は203社。店舗数は3万9165店舗。

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