6月SC統計|既存SC売上高15.0%減まで改善/郊外型復調・都市型低迷続く

一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)によれば、6月の既存ショッピングセンター(SC)の売上高は、前年同月比15.0%減となった。休業していた首都圏などのSCも営業を再開し、前月から46.4ポイント増と大幅に改善した。新型コロナウイルスの影響により前年と比較して客数は減少したが、外出自粛疲れの反動や値引き販売の実施などもあり、客単価が伸長した施設も見られた。

テナントは前月から52ポイント増の17.1%減まで回復し、キーテナントは生活必需品を扱う食品スーパーや総合スーパー(GMS)などが堅調で7.0%減と一桁台まで回復した。

立地別・構成別を見ると、来館手段として公共交通機関の利用が多い中心地域・大都市のSCは客足の戻りが鈍く、30.8%減と苦戦が続いている。一方、近隣住民の利用が多い地域密着型SCと車での来館が主となる郊外型SCが多数含まれる周辺地域は9.9%減とマイナス幅は一桁台まで改善した。

キーテナントは立地により明暗が分かれた。百貨店の割合が高い大都市は32.9%減と大幅なマイナスであった。一方、食品スーパーやGMSの多い周辺地域は1.9%減まで回復した。

都市規模別、地域別では、大都市は22.3%減、その他の地域は9.5%減となった。大都市は5月に比べ大幅に改善したものの、客足が戻らず厳しい状況が続いている。大都市で下げ幅の大きかった福岡市33.5%減や札幌市24.3%減はインバウンドの減少も影響した。

業種別にみると、6月は気温が高めに推移したことや、営業再開時から値引き販売を行ったこともあり、春物衣料に動きが見られた。また、マスクなど新型コロナウイルス感染予防に関する衛生用品も引き続き好調だった。一方、飲食は宴会や会食を自粛する傾向が見られ、かつ密を避けるために客席を減少して営業していることもあり、苦戦が続いている。また、密への心理的懸念からかシネマなどのサービス系も厳しい売上げとなっている。

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