1月SC統計|既存SC売上高25.2%減/11都府県に緊急事態宣言で苦戦

一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が1月のショッピングセンター(SC)販売統計を発表した。1月度の既存SC売上高(総合)は前年同月比25.2%減となり、前月から10.8ポイント悪化した。1月7日に1都3県で緊急事態宣言が再発出され、13日には11都府県に対象区域が拡大されたことに伴い、中心地域・大都市のSCを中心に来客数が激減した。

立地別では、北海道が36.4%減、九州・沖縄が28.9%減と落ち込みが大きかった。九州・沖縄では福岡県が緊急事態宣言の対象となり、前月より15.6ポイント減となったことが影響した。緊急事態宣言対象の都府県を含む関東25.7%減、中部24.1%減、近畿22.2%減も大幅なマイナスとなった。また、東北は28.4%減と北陸が26.4%減。1月7日からの日本海側を中心とした大雪の影響により休業したSCもあって減収だ。

中心地域・大都市では大都市は前年同月比31.3%減、その他の地域は20.8%減。とくに、緊急事態宣言対象となった都市を中心に落ち込みが大きく、福岡市39.9%減、千葉市32.5%減、東京区部33.4%減となった。一方、京都市と大阪市のキーテナントは前年同月比プラスとなった。これは、巣ごもり需要で好調な生活雑貨をキーテナントとして入れ替えたことが伸長の要因だ。

■SC年間販売統計調査報告2020年

また2020年の概況も発表された。既存SC売上高は前年比22.3%減と大幅に前年を下回り、テナント24.8%減、キーテナント12.1%減とともに大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染症の影響で年間を通じて来館者数が大幅に減少した。インバウンドの消失も影響した。

 

2020年は新型コロナウイルスの感染防止により生活様式の変化にSCは大きな影響を受けた。オフィスや文化・娯楽施設が集積した大都市中心部に立地するSCは客数減少の影響を受けて売上げを大幅に減少させた。一方、郊外部のSCはテレワークの浸透もあり平日に近隣からの客数を伸ばした。また、新型コロナウイルス発生以前まで比較的好調だった飲食テナントが大幅な不振に転じる一方で、生鮮、惣菜などの中食が堅調に推移するなどの傾向がみられた。

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