3月SC統計|既存SC売上高2.3%増、「まん防」解除で客数・売上げ回復基調

(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が4月25日(月)、2022年3月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比プラス2.3%と、2月のマイナス4.4%から一転、6.7ポイントのプラスとなった。

前半はまん延防止等重点措置によるマイナス影響があったものの、3月22日に解除され、春休みに入るタイミングと重なったこともあり、来館者が回復した。休日が前年より1日多かったこともプラス要因となった。前年は1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)で緊急事態宣言が発出されていたが、今年はまん延防止等重点措置ということで、制限が前年よりは緩やかであり、1都3県のSCの多くが前年を上回ったことも数字を押し上げた。

テナントは、前年同月比伸長率プラス2.4%となった。気温の上昇により、衣料や雑貨などの春物商材の動きが活発化したことや、時節柄、スーツなどオケージョン需要も好調だった。まん延防止等重点措置解除後は、ディナータイムの売上げの回復により、飲食も好調だった。

キーテナントは、前年同月比伸長率プラス1.5%となった。ラグジュアリーブランド、宝飾品等が好調だった百貨店がけん引し、中心地域は同プラス11.7%と前年を大きく上回った一方で、周辺地域では郊外立地のGMSやスーパーで、前年のような食料品の買いだめ傾向が落ち着いてきたことなどから、マイナス0.8%と前年をわずかに下回った。

立地別では、中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率プラス6.2%となった。繁華街、オフィス街での人出の増加がみられ、来館客数、売上額が前年を上回った。

中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率プラス2.8%となった。観光客の来館の多い地方都市では、土産物や飲食店が好調という声が聞かれた。

周辺地域は、総合で前年同月比伸長率プラス1.1%と小幅な伸長率となった。テナントはプラス1.7%であったが、キーテナントは外出機会の増加により、食料品の買いだめ傾向が落ち着いてきたことから、マイナス0.8%とわずかに前年を下回った。

地域別では、北海道は、総合で前年同月比伸長率マイナス4.0%となった。これは、前年(2021年)同月にプラス30.7%と大幅なプラスであった反動によるものである。ただし、前年のプラス要因はさらに前年(2020年)同月がマイナス45.2%と突出した落ち込みであった反動であり、2022年3月の2019年同月比はマイナス30.6%と全地域中最も厳しい状況が続いていることに変わりはない。国内外の観光客の多い地域であるため、新型コロナウイルスの影響による観光客減によるSCの売上げへの影響が他地域よりも大きいということが考えられる。

関東は、総合で前年同月比伸長率プラス4.4%で、全地域中最も伸長率が高かった。中心地域プラス7.0%、周辺地域プラス3.0%と両地域ともに前年を上回った。特に東京区部(プラス8.5%)、さいたま市(プラス7.5%)、千葉市(プラス5.5%)の大都市で全体の数字を引き上げた。

業種別に見ていくと、「ファッション」は上旬から気温が上昇したことや、自粛長期化の反動による購買意欲の高まりにより、春物商材が好調だった。前年は伸び悩んだオケージョン需要の回復により、スーツや送別品ギフトなども好調だった。

「飲食」は、前年よりも人の動きが活発化していることから、観光客が多く訪れるSCでも飲食が好調という傾向がみられた。

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