3月SC統計|既存SC売上高11.5%増/外出機運が高まり3カ月連続2桁伸長
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が3月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比伸長率プラス11.5%で、3カ月連続2桁伸長となった。調査サンプル数は、487SC。
今年は行動制限がなかったことや全国旅行支援により外出機運が高まったことで来館者数が増え、前年超えとなった。全国的に気温が上昇し、卒業式や入学式などのオケージョン需要も高まったことで衣料品が高稼働し、キーテナントを除くテナント売上げでは立地問わず2桁伸長となった。
2019年と比較するとマイナス7.0%とコロナ禍前を下回っているが、国内外の旅行客に人気だった東北と北陸の中心地域では2019年を上回った。
立地別にみると、とくに中心地域の大都市が好調だった。
中心地域・大都市は総合でプラス22.9%となった。外出機運が高まったことで国内外の旅行客が来館し、大幅な伸びにつながった。
中心地域・中都市は総合でプラス10.8%となった。旅行客の増加や、館イベント、ポイントキャンペーンなどの施策により来館が増えた。4年ぶりとなった花見などの行楽需要も売上増に寄与した。
周辺地域は総合でプラス8.3%となった。前年の行動制限の反動と新型コロナウイルス感染対策の緩和により、来館者が戻ってきているとの声が聞かれた。
地域別では、全地域プラス。北海道は総合でプラス29.3%となり、他地域と比較して最も伸長率が高かった。3月としては過去最高売上げを達成したSCもみられた。
関東は総合でプラス11.3%となった。オケージョン需要や、それに伴う贈答ギフトなどが好調だった。東京区部ではインバウンド客の来館が多いとの声が聞かれた。
近畿は総合でプラス10.5%となった。中心地域、周辺地域問わず、インバウンド客が目立つようになったとの声が聞かれた。
業種別に見ていくと、「飲食」は、前年に時短営業を行っていた反動に加え、国内外の旅行客などの来館者数が増えたこと、さらに歓送迎会需要が高まったことで好調だった。
「ファッション」は、外出機運が高まったことや気温が高めに推移したことで、春物商材が高稼働した。また、卒業式や入学式などのオケージョン需要に対応した商品や新生活に向けたフォーマル商材も好調だった。