4月SC統計|既存SC売上高10.4%増/外出機運が高まり4カ月連続2桁伸長
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が4月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比伸長率プラス10.4%で、4カ月連続2桁伸長となった。調査サンプル数は、484SC。
前月からのマスク着用緩和や全国旅行支援、春休みやゴールデンウィークで外出機運が高まり、前年超えとなった。夕方以降の来館者の戻りやオケージョン需要、新生活需要により、衣料品や鞄や靴などのファッション雑貨が高稼働した。
2019年と比較するとマイナス5.0%とコロナ禍前を下回っているが、大都市の一部のSCでは2019年を上回った。
立地別にみると、とくに中心地域の大都市が好調だった。
中心地域・大都市は総合でプラス17.9%となった。全国旅行支援や水際対策の緩和により、国内外の旅行客が来館し、大幅に伸びた。キーテナントはプラス24.0%。とくに百貨店をキーテナントとしたSCや駅直結型のSCが牽引した。
中心地域・中都市は総合でプラス7.3%となった。引き続き全国旅行支援による旅行客の来館が多かった。インバウンド客も増加しているとの声が聞かれた。
周辺地域は総合でプラス8.8%となった。前月に引き続き、コロナ対策緩和により、広域商圏型SCでは来館者が戻ってきているとの声が聞かれた。一方、ゴールデンウィークなどで行動範囲が広がった結果、近隣商圏を対象とする地域密着型SCは伸び悩んだ。
地域別では、全地域プラス。北海道は、総合でプラス18.7%となり、他地域と比較して最も伸長率が高かった。国内外の旅行客や館周辺でのイベント、コンサート開催による来館で、引き続き好調だった。4月としては過去最高売上げを達成したSCもみられた。
関東は、総合でプラス10.1%となった。ゴールデンウィークの外出、旅行需要の高まりで衣料品や服飾雑貨が好調だった。また、インバウンド客を中心にアニメ、ゲームなどのキャラクター雑貨が好調だったSCもみられた。
近畿は、総合でプラス10.4%となった。中心地域、周辺地域問わず、前月よりも更にインバウンド客が増えているとの声が聞かれた。
業種別に見ていくと、「飲食」は、国内外の観光客の来館やマスク着用緩和により、好調だった。また、新生活や歓迎会のシーズンで団体利用が多くなり、ディナータイムの客層が回復してきている。食料品などの「土産品」も好調だった。
「ファッション」は、外出機運が高まったほか、夕方以降の来館者が戻ってきたこと、気温が高めに推移したことで、春物・初夏物商材が高稼働した。また、寒暖差が激しかったことで薄手の羽織り物が好調だった。新生活需要により、鞄や靴などの「ファッション雑貨」も好調だった。マスク着用緩和により、「コスメ」が好調だったとの声も聞かれた。
前年同月に比べ、アニメやゲーム原作の新作が好調だった「シネマ」目当ての来館が増えたとの声が聞かれた。