カタリナnews|2023年の新発売商品を6カテゴリーでランキング化
小売業向けデータ収集・分析を行うカタリナマーケティングジャパン(株)(東京都港区、ショーン・チュー社長)が、2023年に最も多く手に取られた新発売商品をランキング化した。カテゴリーを飲料・菓子類・ベースメイク・機能性飲料・調味料・アイス類の6つに分類し、それぞれのTOP10を発表した。
■飲料
第1位となったのはアサヒ飲料の「三ツ矢特濃グレープスカッシュ」。“三ツ矢”ブランドに果汁使用という特性を加えた特濃シリーズは例年人気があり、手に取りやすさという点では他の商品に比べて優位であったと考えられる。2位になったのもアサヒ飲料で、商品は新しい緑茶ブランドの「アサヒ 颯」。低関与商材の代表ともされがちなこのカテゴリーだが、微発酵茶葉という特徴のある原料が加わったことが一助となったと思われる。
■菓子類
今回は、食感やスパイス使いに特徴を際立たせた商品が菓子類カテゴリーの上位に入る結果となった。1位は亀田製菓の「無限のり」。前年に発売されていた無限えびの人気を受けて発売された商品で、米菓のエキスパートとしての意地を感じさせる。2位のロッテ、「ザクザクやみつきクランキー」はおなじみでもある「クランキー」シリーズの食感を強くして特徴を際立たせた商品。人気のブランドに食感のラインナップをもたせ、上位にランクインした。
■ベースメイク
コロナ開け、多くの人がより外出するようになった社会情勢を反映してか、ベースメイクがカテゴリー全体で伸張している。2023年の1位になった新商品はコーセーの「メイクキープパウダー」だった。外に出る機会は多くなったものの、未だマスクを付けての外出も多い昨今、ベースメイクの崩れを防止する機能系アイテムが人気を集めた。6位にも似た機能をもったコーセーの商品がランクインしている。2位以下に多くエントリーしている井田ラボラトリーズのセザンヌは元来根強い人気のあるブランドだ。そのセザンヌ傘下で発売された新商品が多数、上位を占める結果となった。
■機能性飲料
森永乳業とTBCとのコラボレーション飲料「TBC1日分の鉄分 ピーチミックス」が1位となった。美容など、TBCのもつ信頼感に機能系飲料というカテゴリーがうまく噛み合ったと考えられる。このシリーズの商品がランキング中に5つ入っている。2位になっているのはサントリー食品インターナショナルのサントリー天然水にファイバーが加わった「サントリー天然水ファイバー8000」。既存のブランドの信頼感のままそこに機能を加え、より多くの消費者にとって手に取りやすい選択肢になったと考えられる。
■調味料
調味料類のTOPとなったのはエバラ食品の「プチッとうどん 明太子うどん」。人気商品の“プチッと”シリーズの新味で、味も明太子うどんという王道だ。食べるまでの手軽さに加え、間違いのない味で人気を集めたと考えられる。2位になっているのはダイショーによる鍋スープの人気シリーズ、名店監修鍋スープから「天下一品京都鶏白湯味」。23年秋シーズンからの発売だが、有名店とのコラボということもあり人気を集めた。
■アイス類
アイス類のTOPは人気ブランドMOWの「マスクメロン味」。多くのブランドにおいて、このカテゴリーでは、期間限定フレーバーが多くラインナップされがちだ。各社が際立った味をエントリーさせるなか、この結果は森永乳業のブランドの強さを感じさせる。夏に向かって多くの商品が発売されるこのカテゴリーでは、 2位以下も人気ブランドの新商品が続き、冷凍パイン味のような清涼感を感じさせる味も上位にランクインしている。