2月外食統計|全店売上高11.4%増/訪日外客数がコロナ禍以降最多
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2024年2月の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は225社、店舗数は3万6310店舗。ファストフードは2万1233店舗で全体の58.5%を占める。
2月の全体売上高は前年同月比111.4%、19年比でも115.7%と好調。店舗数は99.4%、客数は107.4%、客単価が103.7%だった。
2月は、うるう年で営業日が1日増え、休祝日の連休が2回あったが、基本的には1月の傾向と大差なく、全体的にはコロナ禍からの持ち直し傾向が堅調に続いている。訪日外客数はコロナ禍以降最多となるなど、引き続きインバウンド需要が好調だった。
訪日外国人の高単価メニューの消費意欲が旺盛でDRなどの売り上げを押し上げている一方、お得な価値訴求による集客効果も大きく、外食消費の二極化が進んでいる。
業態別では、ファストフード業態の売上高が110.7%。「洋風」は、バリューキャンペーンや29日の肉の日キャンペーン効果も加わり、売上げは108.0%となった。「和風」は新商品やアニメとのコラボ商品等が好調で119.8%。「麺類」は、手頃な価格の業態が引き続き好調で115.4%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、東北の水産物とタイアップした高付加価値メニューと、お得メニューの併用が奏功し103.9%。「その他」では「カレー」のデリバリー価格の改定と客数の増加、その他では「アイスクリーム」の売れ行きが好調で110.5%となった。
ファミリーレストラン業態の売上高は112.8%。お得なクーポンやセットメニューとその逆の高単価メニューがともに好調で、「洋風」は112.5%。「和風」は各地冬の特産品を使った季節限定メニューが売上に貢献し112.2%。「中華」は、お客様感謝キャンペーンや価格改定による客単価の上昇で、113.2%。「焼き肉」は114.4%で、引き続き食べ放題の店舗が好調、その他観光地のインバウンドが増加した。
パブ・居酒屋業態の売上高は110.8%。前半は首都圏の降雪の影響などもあったが、後半には回復し、ターミナル駅周辺など人流の多い地域の店舗が好調だった。
ディナーレストラン業態の売上高は111.8%。インバウンド需要増が全般的に他業態よりも顕著だった。
喫茶業態の売上高は112.1%。うるう年で営業日が1日多く、また価格改定と客足の回復が堅調だった。