5月販売統計・SC▲0.4%、百貨店▲4.2%、チェーンストア▲2.2%で4月から回復
二つの協会から5月度の販売統計が発表された。
消費増税直後の4月がへこみ、5月はそのへこみが減った。
それが他の小売業態などの平均的な傾向。
日本ショッピングセンター協会の調査では、ショッピングセンター総合が前年比マイナス0.4%。 4月がマイナス4.8%で、駆け込み需要が起こった3月が11.4%。
この調査は、2012年12月末現在の全SC3096カ所が基本だが、
そこから立地別・SC規模別に1000カ所をサンプル抽出し、
アンケート回収できた519カ所の数字をまとめたもの。
納得のトレンド。
しかしショッピングセンターのキーテナントは、5月にマイナス3.9%。
4月はマイナス9.3%、3月がプラス15.7%。
サブテナントは5月にプラスに転じて1.0%。
4月はさすがにマイナス3.2%、3月はプラス9.9%。
キーテナントがひどく悪くて、サブテナントが比較的いい。全体がその中間。
この協会の統計は、百貨店協会と日本チェーンストア協会の前年同月比も比較掲載してくれる。
百貨店は5月にマイナス4.2%、4月マイナス12.0%、3月プラス25.4%。
チェーンストア協会は店舗調整後で、5月マイナス2.2%、4月マイナス5.4%、3月プラス9.4%。
消費税増税前後の3カ月、百貨店の振幅が大きく、チェーンストアの波はそれに比べて小さい。
百貨店は84社、241店舗の数値。
チェーンストア協会は、会員企業数60 社、店舗数9208 店(対前年同月比1141店増)の統計。
しかし日本チェーンストア協会の売上高の半分は総合スーパーのもの。
ほぼ、総合スーパーの動静を示すと考えてよい。
全体の63.1 %を占める食料品は店舗調整後の前年同月比で、マイナス0.7%と健闘。
農産品がプラス1.9%、畜産品もプラス5.5%、惣菜がプラス3.3%。
精肉が大いに貢献し、逆に水産品はマイナス0.7%。
全体の9.7%の衣料品は、マイナス6.5%。
チェーンストア協会の衣料品売上高は1割を切って、さらに減っている。
住関連分野は全体の20.7%だが、こちらもマイナス4.6%。
総合スーパーも食品で一息ついたと言ったところだ。
日本チェーンストア協会加盟企業の総売場面積は2543万9230㎡で、
これは対前年同月比104.2%。
一方、売場1㎡当たり売上額4万1642円で、こちらは対前年同月比96.8%。
店舗数を1141店増やし、売場面積を4.2%増加させ、1㎡当たり売上高マイナス3.2%を補う。
それが総合スーパーに代表される日本チェーンストア協会の営業の全体傾向である。
〈結城義晴〉
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