フードサービス2014年は3年ぶり前年マイナスも、ファミリーレストランは3年連続プラス

日本フードサービス協会が26日発表したのが、外食産業の業績。
12月度が前年同月比97.2%。
その結果、2014年1月から12月の通期は99.8%と3年ぶりに前年を下回った。

まず、12月の業態別の売上げ動向とその要因

■ファーストフード業態(55社・1万6806店)

全体売上げは94.4%とマイナス。
洋風ファーストフードはクリスマスのチキン需要を捉えて堅調に推移した店もあった一方で、米西海岸の港湾労使交渉が長期化したことによって原料ジャガイモ調達に問題が生じ、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどが影響を受けた。各社の業績はバラバラだが洋風全体では88.2%と大きく前年を下回っている。
和風ファーストフードは、高価格帯の季節メニュー・定食メニュー等が好調で客単価が伸び、売上げは103.8%。
そのうち麺類チェーンは、新メニューの投入等で総じて好調。
持ち帰り米飯・回転寿司は、店舗数減、曜日回りの影響で客数が減少し、売上げは前年を下回った。

 

■ファミリーレストラン業態(47社・8811店)
•全体売上げは前年同月比101.2%とプラス。
中華以外のファミリーレズトランは、客単価の下支えもあり、売上げは前年プラス。ただし客数は、曜日回りや、北日本等の大雪の影響などから、すべての業種でマイナスとなった。
焼き肉レストランは好調を維持しつつも、17カ月ぶりに客数が前年を下回った。

■パブ・居酒屋業態(34社・2017店)
全体売上げは93.0%と大幅マイナス。
選挙の影響を受け、月前半の忘年会需要で大口顧客の取り込みに苦戦した店が多かったことが要因。ただし各社マチマチだが、なぜかパブ・ビアホールの売上げは100.6%と好調だった。

■ディナーレストラン業態(34社・927店)
客単価の高い新店で好調なところもあり、売上げは101.7%とプラス。しかしこの業態もそれぞれに異なる。業態全体で語れないことは、小売業と同じ。つまりフォーマット化が進んでいる。

■喫茶業態(12社・2210店)
 高付加価値の期間限定メニューや一部商品の割引などが奏功し、101.7%とプラス。スターバックスを始め、タリーズやドトールなど、業態概念を脱して、フォーマットの完成度が高いことがプラスしている。

 

 

次に2014年のフードサービスの概況と業態別トレンド

 

まず、外食産業は内食産業以上に天候に左右される。
昨年は天候不順の月が多く、2月は記録的な大雪、夏場は長雨・豪雨・台風などが続き、大きなマイナス要因となった。
さらに7月にはマクドナルドの中国産鶏肉問題が起き、原材料や商品に対するお客の不信感が一気に高まった。それらの影響から年間の全店売上げは、99.8%とわずかに前年マイナス。
 一方で、原材料高騰によるメニュー改訂、価格改定などもあり、全体の客単価はプラスとなった。

     
 業態別の傾向は前年の流れが続いており、売上げは、「ファーストフード」「パブ/居酒屋」以外のすべての業態が前年プラス。
とくに「ファミリーレストラン」(103.2%)、「ディナーレストラン」(104.0%)、「喫茶」(100.1%)、「その他」(106.3%)は3年連続のプラス。「ファミリーレストラン」は客数、客単価、店舗数ともに3年連続プラスだが、なかでも焼き肉レストランは前年比プラス(108.4%)が続いている。

 

「ファーストフード」(97.9%)は2年連続マイナス。若者のアルコール離れが響く「パブレストラン/居酒屋」(95.0%)は6年連続して前年マイナス。

 
業態コンセプトだけでひとくくりにして考えていると、小売業同様、フードサービス業でも本質が見えなくなる。
たとえば「俺のイタリアン」ように、業態発想から脱して、独自のフォーマット開発をした企業が好調だからだ。それが協会発表の「各社マチマチ」の表現に表れている。

しかし外食業は内食小売業の水先案内人。業態が文化したフォーマット化はいち早く進んでいる。その意味で、外食の大きなトレンドと各社のポジショニング戦略は、小売業側も捉えておきたい。

 

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