6月の商業動態統計で季節調整済み販売額は百貨店▲2.4%、スーパー▲3.0%、コンビニ4.6%

経済産業省から、平成27年6月度の商業動態統計速報が発表された。
毎月20日前後にそれぞれの協会から業態別の販売結果が発表され、その都度、Daily商人舎でも報告している。経済産業省の発表は月末のこの時期に、それらを客観的な立場から総括的に整理されるがごとく発表される。

商業販売額(税込み)は38兆4360億円(前年同月比プラス0.9%)。季節調整済前年同月比はプラス2.8%だった。季節調整とは、経済統計の原計数から季節の変動による業績のばらつきを取り除いた指数である。月ごとに変化する休日数、気温による需要の変動などの季節の要因を取り除いて、業績を正確に評価するために生まれたものである。

卸売業と小売業を総合すると商業となるが、それぞれの販売額を見ると、卸売業は26兆9790億円、小売業が11兆4570億円。卸売業、小売業ともにそれぞれ前年同月比はプラス0.9。

さらに小売業販売額を指数化し、平成22年を100とした数値は102.3。
また季節調整済み指数の前月比はマイナス0.8%。前年同月と比較すると0.9%プラスだが、前月に比べるとマイナス0.8%で、3カ月ぶりの低下となった。

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(表はすべて経済産業省の「商業販売額の動向」より)

1.卸売業

販売額は、26兆9790億円(プラス0.9%)。季節調整済み前年同月比では大きく3.4%のプラス。

業種別で前年同月比でプラスとなったのは、以下の業種。
医薬品、化粧品 9.6%、食料・飲料 7.9%、農畜産物・水産物 6.4%、繊維品4.7%、機械器具0.4%、その他0.4%であった。

一方減少したのは、
鉱物・金属材料▲7.4%、衣服・身の回り品▲4.0%、化学製品▲3.6%
建築材料▲0.9%、家具・建具・じゅう器▲0.7%、各種商品▲0.3%。
6月はプラスが5業種、マイナスが6業種となり、プラスマイナスの数値も一ケタ台だった。そのため全体として横ばいであった。

大規模卸売店販売額は9兆0280億円となり前年同月比0.9%のマイナスとなった。
これを商品別にみるとプラスになったのは、鉱物11.8%、医薬品・化粧品10.7%、非鉄金属10.6%。

一方、マイナスは石油・石炭▲25.5%、衣服・身の回り品▲7.3%、輸送用機械器具▲4.6%、鉄鋼▲3.9%、化学製品▲2.7%。

鉱物をはじめ、プラスの業種は二ケタとなったが、石油・石炭の25.5%マイナスが全体を大きく引き下げた。

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2.小売業

販売額は、11兆4570億円(プラス0.9%)。季節調整済みではマイナス0.8%の低下となった。

業種別で前年同月比で増加となったのは以下のとおり
自動車8.0%、医薬品・化粧品5.1%、飲食料品3.1%、織物・衣服・身の回り品0.6%。

一方、減少したのは燃料▲10.7%、機械器具▲3.9%、その他▲1.2%、各種商品(百貨店など)▲0.8%となった。

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3.大型小売店

販売額は、1兆6412億円(前年同月比プラス0.6%)。季節調整済みでは3.2%の低下となった。既存店は0.3%のマイナスという結果。

大型小売店は大きく2つの業態で報告されている。

まず百貨店

販売額は5393億円(マイナス0.2%)。季節調整済みもマイナス2.4%。既存店は0.4%のプラスという結果。

主力商品である衣料品も前年同月比マイナス5.7%。
婦人・子供服・洋品▲9.1%。 紳士服・洋品▲6.6%、その他の衣料も▲2.0%と不調のなかで、
その中でも身の回り品が0.3%とわずかながらも増加となった。

飲食料品は▲0.6%。

その他は、食堂・喫茶▲3.2%、家庭用電気機械器具▲2.8%と減少したが、その他の商品14.6%、家庭用品4.1%、家具1.3%と好調で、全体では10.3%の増加となった。
 
日本百貨店協会からの発表では6月の全国百貨店売上高は4879億8951万円。
昨年同月比0.4%増とわずかながらも 売上げを伸ばし3カ月連続のプラスであった。

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もうひとつは「スーパー」
総合スーパーと食品スーパーがまとめられて「スーパー」。
販売額は、1兆1020億円、プラス1.0%であった。季節調整済みはマイナス3.0%の低下。既存店は0.6%のマイナスという結果。

衣料品全体では前年同月比マイナス7.8%。
詳細は、その他の衣料品▲11.4%、紳士服・洋品▲9.1%、婦人・子供服・洋品▲8.2%、身の回り品▲2.7%と全てマイナスと振るわなかった。

しかしスーパーの主力商品である飲食料品は3.1%プラスと引き続き好調。

また、その他は全体では前年同月比マイナス1.3%。
食堂・喫茶▲12.5%、家具▲10.1%、家庭用品▲1.6%、その他商品▲1.1%。
家庭用電気機械器具がなんとかプラス2.6%を計上したものの、食堂・喫茶、家具の二ケタのマイナスが響いた。

スーパーマーケット協会の発表では6月の総販売額は1兆0699億5432万円。
比較対照が可能な既存店ベースでは前年比プラス0.3%と微増ながら、3カ月連続のプラスであった。

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4.コンビニエンスストア

商品販売額及びサービス売上高は9083億円(前年同月比プラス4.6%)。内訳は商品販売額が8568億円(プラス4.0%)、サービス売上高は515億円(プラス17.43%)。

商品別にみると、
ファストフード及び日配食品は3364億円(プラス5.0%)
加工食品は2410億円(プラス4.1%)
非食品は2794億円(プラス2.7%)と、いずれも好調でコンビニエンスストアは元気だ。
そして今月もサービス売上高が二ケタで好調。

日本フランチャイズチェーン協会の発表では、店舗売上高は全店ベースで8417億2300万円、前年同月比は28カ月連続増のプラス4.4%。既存店では7674億6900万円でプラス0.6%と微増。3カ月連続の既存店プラスであった。

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6月の商業動態統計を季節調整済み販売額で業態比較すると、百貨店▲2.4%、スーパー▲3.0%に対してコンビニ4.6%。コンビニの好調さが浮き彫りにされた。

検索ワード : 商業動態統計 卸売業 小売業 百貨店 スーパー コンビニエンスストア

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