【7月外食産業】売上高5.9%増、マックのポケモンGOで洋風14.9%プラス

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が7月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計したもの。外食産業は食品小売業および食品産業の水先案内人ともいえる。その水先案内の7月の結果はいかに。

有効回収の事業社数は196社で店舗数は3万2825店。日本の外食産業はおよそ50万軒存在するといわれる。そして1年に約5万軒が閉鎖され、新たに約5万軒が新設される。新陳代謝の激しい産業だ。その中のJFに加盟する3万2825店の統計。これらはすぐに閉鎖されることのない確かな店舗群のデータと見ることができる。
詳細は以下表の通り。

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 (社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より 以下同じ

全体概況
7月は土日曜日が昨年よりそれぞれ1日多かったことが外食売上高を2~3%押し上げた。また雨天日数が昨年より東京都は2日、大阪府は6日少なかったことも客足に影響を及ぼした。全体売上げは5.9%増、8カ月連続でプラスとなり、好調を維持している。中でもファストフードはプラス9.8%となり、特に洋風は14.9%増で二ケタの伸びとなった。

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業態別概況

<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス9.8%となり好調を維持。
洋風――売上高は14.9%増で二ケタの伸び。キャンペーンメニューやゲームソフトとのコラボが奏功した結果である。
和風――季節メニューや定食メニューが引き続き好調で、売上高は7.4%プラスとなった。
麺類――店舗数3.2%、客数4.7%プラスとなり、売上高も5.9%増。
持ち帰り米飯・回転寿司――売上高は0.6%とわずかながらプラス。客単価、客数はプラスだったものの店舗数が▲1.8%だったことが原因である。
その他――アイスクリームが売上げを伸ばし、売上高7.3%と好調だった。

洋風のゲームソフトとは話題の「ポケモン ゴ―」である。日本マクドナルドが7月22日、「ポケモン ゴ―」とコラボし、全店(約2,900店舗)のうちキャラクターを集める「ポケストップ(約2500店舗)」、キャラクター同士が戦う「ジム(約400店舗)」と呼ばれる場所となり、集客に貢献している。

<ファミリーレストラン業態>
全体売上高は3.8%プラス。
洋風――売上高は2.6%のプラス。客数はプラス3.1%だったが、店舗数と客単価はマイナス。
和風――消費者の支持を得たメニューが値上げにもかかわらず売上げを伸ばして、売上高4.3%増。
中華――売上高3.6%。ビールフェアなどが売上げに寄与した。
焼き肉――夏休み需要が好調で売上高8.1%増。客単価は▲1.2%だったが、客数9.4%増となり、集客力は相変わらず強い。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――ビヤガーデンが好調で3カ月ぶりに売上高2.3%プラス。客単価は▲1.1%だが、客数3.4%、店舗数2.4%のプラスとなった。
居酒屋――売上高は▲5.0%、店舗数▲7.6%、客数▲5.1%、客単価▲1.0%となり、唯一売上高マイナスで不調が続いている。

<ディナーレストラン業態>
売上高7.0%プラス。店舗数が5.1%、客数6.5%、客単価0.5%とすべてプラスとなり好調だ。土日の日数増が郊外型店舗の客数を押し上げた。

<喫茶業態>
ビジネス街の店舗は平日の減少により、客数が▲0.9%となった。しかし夏商品の販促が奏功して売上高は1.5%プラスとなった。

7月の外食産業業態別の結果を、売上高伸長率順にまとめると以下のとおり。
ファストフード9.8%、ディナーレストラン7.0%、その他5.4%、
ファミリーレストラン3.8%、喫茶1.5%、
そしてパブ・居酒屋業態が唯一▲4.3%となった。
といってもマイナスのパブ・居酒屋業態の中に包含されるパブ・ビアホール業態は夏の定番、ビヤガーデン効果もあって2.3%のプラス。実質マイナスだったのは居酒屋業態だけだった。

ファストフードの好調はなんといっても日本マクドナルドのポケモンゴー効果が大きい。新しい試みは成果をあげている。しかしいつまで続くかは今後の展開をみてみないとわからない。リオデジャネイロ五輪開催で客数が落ちると予測される8月は、まだポケモンゴーの熱が続いているだろうか。

 
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