【8月家計調査】6カ月連続で支出減少、消費者の節約志向は根強い

8月の二人以上世帯の家計調査速報が総務省統計局から発表された。一定の統計上の抽出方法に基づいて選定された、全国約9000世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを調査している。家計消費トレンドをつかむことができるこの調査は、国の景気動向の把握、生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定及びウエイー作成などの基礎資料となる。したがってこの調査速報は地方公共団体、民間の会社、研究所あるいは労働組合などでも幅広く利用されている。

8月の結果は減少、マイナスのオンパレード。

8月の二人以上の世帯の消費支出は27万6338円で6カ月連続の減少である。
前年同月比は実質4.6%の減少、前月比(季節調整値)も実質3.7%の減少、そして名目も5.1%の減少となった。*名目とは、そのままの値で、「実質」とは、物価変動の影響を除いた値のことである。

また住居等を除く消費支出で見ると、1世帯当たり24万3832円。前年同月比では実質3.1%の減少、前月比(季節調整値)は実質2.3%の減少。名目でも3.6%の減少となった。

勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり48万0083円。前年同月比実質1.5%の増加。名目で1.0%の増加となった。

 消費支出の内訳は下記表のとおり。
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内訳をみても、減少の文字が並ぶ。食料、家具・家事用品は2カ月ぶりの減少、被服及び履物は3カ月連続で減少。増加となったのは、唯一保健医療で3カ月連続の増加。保険医療費の増加はけっして喜ばしい数値ではない。

8月の消費支出の実質増減率に寄与した主な中分類項目及び品目を見てみよう。

 増加項目
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通信、上下水道、保健医療サービスと生きるうえで最小限必要な項目ばかり。飲料は熱中症対策で売上げを伸ばした。これらもまた未病、予防に必須の商品群だ。

 一方、減少項目は以下のとおり。
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逆に減少項目は趣味・嗜好性の高い項目ばかり。
季節商材であるエアコンは、猛暑の7月は増加項目だったため、その反動だろうか、8月は減少に転じた。昨2015年8月は猛暑となり、エアコンは181.6%と大幅に伸長し、増加項目に入っている。つまり前年の数値が大きいこともあり、今年8月は減少となったと推測される。

では、食料費(7万3961円)の内訳はどうだったのか。
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消費支出27万6338円のうち、食料の支出額は7万3961円。エンゲル係数を計算すると8月は26.76%。ちなみに7月は26.23%、6月は26.75%。5月が26.63%。

消費支出は6カ月連続で減少している。小売業の各業態の調査報告によれば、今年の8月は、台風の接近・上陸の影響が大きく、コンビニ以外の小売業はすべてマイナスだった。またSCと外食もマイナスの結果。その中で唯一プラスだったコンビニでさえ、既存店では来店客数はマイナスとなっている。

しかし6カ月連続マイナスという家計調査の結果を見ると、天気の影響だけでなく、やはり消費者の節約傾向が強いといえそうだ。

>>>第1表 主要家計指標-二人以上の世帯
>>>第2表  1世帯当たり1か月間の収入と支出  -二人以上の世帯

*出典 家計調査結果(総務省統計局)                         
*上記の総務省の表は商人舎magazineのDATABASEにも掲載中。

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