【9月家計調査】消費支出7カ月連続減・衣食住ダウン
9月の二人以上世帯の家計調査速報が総務省統計局から発表された。
一定の統計上の抽出方法に基づいて選定された、全国約9000世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを調査している。家計消費トレンドをつかむことができるこの調査は、国の景気動向の把握、生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定及びウエイー作成などの基礎資料となる。したがってこの調査速報は地方公共団体、民間の会社、研究所あるいは労働組合などでも幅広く利用されている。
9月の二人以上の世帯の消費支出は26万7119円で7カ月連続の減少である。
前年同月比は実質2.1%の減少、前月比(季節調整値)は実質2.8%の増加、そして名目は2.6%の減少となった。*名目とは、そのままの値で、「実質」とは、物価変動の影響を除いた値のことである。
また住居等を除く消費支出で見ると、1世帯当たり23万3126円。前年同月比では実質0.6%の減少、前月比(季節調整値)は実質2.1%の増加。名目では1.1%の減少となった。
内訳をみると、増加項目は4つ。光熱・水道、家具・家事用品、交通・通信、教養娯楽。
一方、減少項目は、食料、住宅、被服及び履物、保健医療、教育、その他の6項目。
教養娯楽が増加とは、少し生活に余裕があるのかと思いきや、衣食住はすべて減少項目となっている。
9月の消費支出の実質増減率に寄与した主な中分類項目及び品目を見てみよう。
増加項目は
8月は、減少項目だったエアコンディショナが、9月は増加項目となっている。残暑厳しかったことが原因だろう。
既に掲載している一般社団法人日本フードサービス協会が発表した9月の外食産業市場動向調査によると、9月はプラスとなっているが、ここでは外食が減少項目に入っている。
では、食料費(6万9425円)の内訳はどうだったのか。
消費支出26万7119円のうち、食料の支出額は6万9425円。エンゲル係数を計算すると9月は25.99%。8月は26.76%、7月26.23%、6月26.75%、5月26.63%と26%台が続いていたが、25%台となり少しダウンした。
しかし、勤労者世帯の実収入をみると、1世帯当たり42万4553円。前年同月比実質2.7%の増加。名目でも2.2%の増加となっている。この世帯当たり消費増加に期待したいところだ。
>>>第1表 主要家計指標-二人以上の世帯
>>>第2表 1世帯当たり1か月間の収入と支出 -二人以上の世帯
*出典 家計調査結果(総務省統計局)
*上記の総務省の表は商人舎magazineのDATABASEにも掲載中。
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