【11月家計調査】二人以上の消費支出▲1.5%、勤労者世帯実収入1.0%増

11月の二人以上世帯の家計調査速報が総務省統計局から発表された。

この調査はサンプル数が全国約9000世帯だが、家計消費トレンドをつかむことができる、唯一のデータである。

11月の二人以上の世帯の消費支出は27万0848円で、前年同月比は実質▲1.5%。9カ月連続で減少し、名目でも▲0.9%となった。*「名目」とはそのままの値で、「実質」とは物価変動の影響を除いた値のことである。

また住居等を除く消費支出で見ると、1世帯当たり23万3890円。前年同月比で実質▲1.9%、名目でも▲1.3%となりマイナスが並ぶ。

 消費支出の内訳は下記表のとおり。

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増加項目は①光熱・水道、②交通・通信、③その他の3項目。残りの7項目は減少。すなわち、食料、住居、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、教育、教養娯楽である。衣食住、教育、娯楽が減少したということは、つまり節約志向を意味する。

11月の消費支出の実質増減率に寄与した、主な中分類項目及び品目を見てみよう。

増加項目は、
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節約志向と思いきや、自動車購入費が増加項目となっている。また諸雑費の寄付金が増加となっているのは、各地で発生している自然災害への募金活動もあるだろう。ちょっと嬉しい結果だ。

 一方、減少項目は以下のとおり。
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食料品、衣類、外食が減少となっている。食品スーパーマーケットの業態別報告をみても、野菜の高騰や、水産物の水揚げ不足による相場高および品薄などで不調と報告されたが、この減少項目をみると、現実味を帯びる。

では、食料費(7万0213円)の内訳はどうだったのか。

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魚介類と肉類を比べてみると、肉類が1330円多い。その中でも生鮮肉と生鮮魚を比べると、生鮮肉が2474円も多く消費されている。日本人が魚より肉を好んでいて、それが多く食卓に並んでいることがよく分かる。

消費支出27万0848円のうち、食料の支出額は7万0213円。エンゲル係数を計算すると、11月は25.92%。ちなみに10月は26.06%、9月は25.99%、8月は26.76%。

二人以上の勤労者世帯の実収入を見ると、1世帯当たり43万2415円。前年同月比実質1.0%の増加。名目でも1.6%の増加という結果。12月はボーナス時期でもあり、年末年始の季節の行事が目白押し。全体に実収入が増加して、支出が減少している。つまり貯蓄ないし家庭内ストックが増えている。消費にとっては好ましい現象ではない。

>>>第1表 主要家計指標-二人以上の世帯
>>>第2表  1世帯当たり1か月間の収入と支出  -二人以上の世帯
 
*出典 家計調査結果(総務省統計局)
*上記の総務省の表は商人舎magazineのDATABASEにも掲載中。
 
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