4月SC統計|熊本地震の反動で九州地方が昨対大幅増、全体売上高も2.1%増
2017年4月の「ショッピングセンター(SC)販売統計調査」が、一般社団法人日本ショッピングセンター協会から発表された。サンプル数は503施設。
4月の既存店売上高は5214億7567万円で(前年同月比2.1%増)、2カ月連続でプラスとなった。テナントは4162億5035万円(2.7%増)、キーテナントは1052億2531万円(▲0.1%)で、テナント群が全体を牽引した。テナントの婦人衣料は、不振と回答した店舗が依然として多かったものの、一方で好調との報告も増えてきて、キーテナント企業とその店舗によって明暗が分かれた。
立地別・構成別の売上伸長率を見ると、総合では2.1%プラスとなり、中心地域、周辺地域ともに好調だった。テナントはすべての立地でプラス。しかしキーテナントを見ると、大都市は5.4%とプラス幅も大きく、好調が続いているが、中都市、周辺都市はマイナス基調で苦戦している(表-1参照)。
立地別・地域別で見ると、総合は、九州・沖縄6.5%、近畿2.8%、関東2.6%、北海道2.5%、中部0.7%と5地域でプラスとなった。一方マイナスは、四国▲1.6%、北陸▲1.3%、中国▲0.8%、東北▲0.4%の4地域。(表-2参照)
都市規模別・地域別では、政令指定都市の総合は2.0%増。
プラスだったのは、北九州市5.4%、福岡市4.5%、神戸市3.5%、横浜市3.0%、川崎市2.6%、東京区部2.5%、札幌市2.3%、千葉市2.0%、大阪市1.9%、京都市0.1%の10都市。一方マイナスは3都市で、仙台市▲3.7%、名古屋市▲1.6%、広島市▲0.6%。
その他の地域(政令都市を含まない地域)の総合は2.2%増。
九州・沖縄7.6%、北海道3.3%、近畿3.3%、関東2.6%、中部1.4%、東北1.0%の6地域が前年を上回った。一方、四国▲1.6%、北陸▲1.3%、中国▲0.9%と、3地域は前年に届かなかった。
どの区分をみても、九州地方のプラス幅が飛びぬけて大きい。これは2016年4月に発生した熊本地震の反動によるもの。一部営業停止となった店舗が復旧したためである。
協会では、地震の影響が大きかった熊本県と大分県のショッピングセンターの販売状況分析している。
地震発生直後の2016年4月は前年同月比▲6.6%と大きく落ち込んだが、2017年はその反動で、4.6%上回った。しかし地震発生前の2015年4月と2017年4月を比べれば▲2.4%と、震災前には戻っていないことがわかる。復興道半ばである。
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