7月スーパーマーケット統計|相場安・高温豪雨・アニサキスで既存店▲0.2%

日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査による「7月スーパーマーケット販売統計調査」が発表された。調査対象企業は全国の194社。

7月の総売上高は8976億1901万円。既存店は前年同月比0.2%減となった。7月は不順な天候要因と青果の相場下落の影響が大きく、売上げは伸長せず、全体でマイナスとなった。

部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は以下の通り。

食品合計 8027億0869万円(89.4%)▲0.2%
生鮮3部門合計 2927億1793万円(32.6%)▲1.7%
・青果 1165億8795万円(13.0%)▲3.2%
・水産 779億9526万円(8.7%)▲3.8%
・畜産 981億3472万円(10.9%)+1.8%
惣菜 917億8520万円(10.2%)+0.5%
日配 1766億0519万円(19.7%)+1.3%
一般食品 2416億0038万円(26.9%)+0.7%

非食品 697億0775万円(7.8%)▲0.9%
その他 252億0302万円(2.8%)▲2.6%

NSAJの増井徳太郎副会長が7月の消費動向と販売傾向を解説した。

「7月は北日本中心に気温が高めに推移し、日照時間の多い月だった。一方で九州北部豪雨、北陸の集中豪雨をはじめ、各地で局地的な大雨も多かった。こうした気候的要素から、飲料、涼味商材、酒、果物、殺虫剤、制汗剤などが好調だった。25日の土用丑の日は良好な結果を出した企業が多かった」

「一方、野菜は大変な相場安で、マイナス3.2%と数字に反映された。鮮魚はアニサキス報道の影響が依然続いている。青果、水産ともに大変厳しい結果となった。中元商戦は、他業種からの参入や、高齢化による注文数減、若い世代の中元離れ傾向もあり、これも非常に厳しかった」

野菜は気温上昇により、サラダ向けの葉物、キュウリ、トマトなどは好調に推移したが、昨年に比べて、相場安だったこともあり、売上げは伸び悩んだ。果物は昨年生育不足だったスイカ、桃などが好天候の影響を受けて好調だった。カットフルーツもよく売れた。
水産は鮮魚が入荷不足傾向にあった。土曜丑の日はうなぎの価格も昨年より落ち着き、売り込みやすかったため、販売点数がアップし、順調に推移した。
畜産は、焼肉、ローストビーフなどが高温のなか、支持された。牛肉は好調だ。国産豚肉も相場が高騰し、売上げに貢献している。ただし、価格が高騰したことによって輸入豚へのシフトも見られた。また国産牛肉の高騰もあり、輸入牛肉の取扱量も増加している。

惣菜はサラダ、冷し麺などの涼味商材、焼き鳥などのつまみ類が好調だった。また暑さにより家庭での揚げものが敬遠されたため、逆にてんぷら、フライ、唐揚げなどは好調に推移した。生寿司は高温要因やアニサキス報道などで持ち帰りを控える顧客もいて、伸び悩んだ。

日配はチルド飲料、麺類、アイスクリーム、ところてんなどが好調だった。冷凍食品も確実に支持を集めた。一方、練り物を中心とした和日配は不調だった。

一般食品は飲料やチューハイ、行楽商材としてのお菓子などが好調だった。逆にコーヒー、焼き菓子、油、基礎調味料などは伸び悩んだ。

非食品は気温上昇、ヒアリ報道などにより殺虫剤がよく売れた。また食中毒の報道もされたためか、ハンドソープ、消毒用アルコールなどもよく売れた。一方で、たばこや紙製品などは不調だった。

青果の相場安と気温上昇、豪雨、水産部門の不振などの要因により、食品は先月に続き、昨対マイナス。非食品はホームセンター、ドラッグストアなどとの価格競争が激化し、やはり先月に続いてマイナスとなった。

品揃えの見直しや加工精度の向上など、差別化に向けた取り組みが求められる。

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