8月外食産業統計|「マクド」が牽引し洋風ファストフード8%・全体4%増

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)は、8月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は、新規店も含めた全店を対象としていて、業態別を網羅している。

8月の回答事業者は194社で店舗は3万6206店。7月に比べると事業社数は8社、店舗数は2327店増加している。
店舗数はファストフードが1万9561店で全体の約54%と半数以上を占める。2番目はファミリーレストランで9672店の27%。この2業態で8割を超える。その動向が外食産業の動向を左右している。

[8月度有効回収の事業社数]

全体概況
店舗数は0.4%増加し、売上高3.5%、客数1.8%、客単価1.7%のプラス。
8月は降雨の連続記録が話題になるなど、東日本・北日本では日照時間が少なく、低温の日が続いた。しかし各社が積極的なキャンペーンを展開したことなどが奏功して客数アップにつながった。売上高は12カ月連続プラス。昨年8月はリオデジャネイロ五輪開催があったため、売上高は1.7%減と外食需要が低下した。それを考慮すると3.5%は一昨年水準だ。

8月の外食産業の業態別の動向を、前年比売上高伸び率順に挙げると、ディナーレストラン6.2%、ファストフード4.9%、喫茶2.2%、ファミリーレストラン2.1%、パブ・ビアホール1.0%、居酒屋▲1.3%。居酒屋以外は前年を上回った。とくにディナーレストランとファストフードは好調だった。その他は3.0%増だった。

業態別概況
<ファストフード業態>
店舗数0.5%、売上高4.9%、客数2.5%、客単価2.3%と前年同月を上回っている。
洋風(8.0%)、和風(1.4%)、麺類(5.1%)、持ち帰り米飯・回転寿司(▲0.3%)、その他(5.5%)。洋風は、店舗数が▲0.6%だったにもかかわらず、売上高8.0%と大幅な伸びを示した。

洋風をけん引したのがマクドナルドの地域対決キャンペーン。これは、8月4日~20日に、関東の「マック」と関西の「マクド」の愛称対決投票を実施したもの。「マック軍」と「マクド軍」を代表する新商品のハンバーガーを発売し、ツイッター上でツイート、リツイートの数で勝負した。集計の結果、49%対51%の僅差で「マクド軍」が勝利。マクド軍の代表バーガーがお得に食べられる「優勝セール! クーポン」を公式アプリとツイッターで配信し、話題になった。

さらに、総じて夏の新メニューが好調で、「麺類」も客数を伸ばしている。

<ファミリーレストラン業態>
売上高2.1%、客数0.5%、客単価1.6%の増加。店舗数は0.9%増。
洋風(1.5%)、和風(▲1.1%)、中華(3.0%)、焼き肉(9.1%)。焼肉は、お盆時期に集客した。一方、和風は雨天が影響し、マイナスとなった。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホールは、売上高1.0%、客数4.2%、客単価▲3.0%。店舗数が2%増で、売上高が1%増だから決して好調とは言えない。天候不順が影響した。
居酒屋は店舗数▲4.8%ながら、売上高▲1.3%、客数▲1.6%、客単価0.3%に留まった。店舗数の減少に歯止めがかからない。

<ディナーレストラン業態>
売上高6.2%、客数5.7%、客単価0.4%。店舗数は1.3%増。
気温の低い日が続いたことで、鉄板焼きなど温かいメニューが好調。客数が大幅に伸び、売上高は全業態中、最大の伸びとなった。

<喫茶業態>
店舗数1.3%、売上高2.2%、客数0.6%、客単価は1.6%。
天候不順で客数はわずかな伸び。国産食材使用や増量を訴求した夏物ドリンクが好調で、客単価アップにつながった。

外食の好調が続く。

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