京王電鉄news|AIを活用したヤマメの養殖プロジェクト開始
京王電鉄(株)(東京都多摩市、都村智史社長)は米国ディープテック企業 Noka.AI とAIを活用したヤマメの養殖プロジェクトをスタートした。

日本初となる「生物学的推論AI」を活用したもので、奥多摩やまめ養殖を始める。具体的には魚類細胞生物学・代謝モデル・AI を統合し、成長促進、飼料効率改善、品質安定化を科学的に実現する取り組みで、養殖の高度化を目指す水産業界において先駆的な事例となる。
京王電鉄では、社員のアイデアを事業化するオープンイノベーション「My turn」を推進している。2026年3月には京王プラザホテル八王子の遊休施設を活用し、アクアポニックス事業を開始した。
アクアポニックスとは、水耕栽培と養殖を掛け合わせた、次世代の持続可能な循環型農業です。魚の排泄物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、生産性と環境配慮の両立ができる生産システム。
ホテル内で育てた奥多摩やまめをホテルで提供する「究極の地産地消」を掲げ、ブランド魚として注目される奥多摩やまめの安定供給体制構築が課題となっていた。
Noka.AI は、ゲノムスケール代謝モデルやマルチオミクスデータを統合し、魚類細胞の機能や栄養応答を分子レベルで解析する「生物学的推論AI」を開発。従来の経験則に依存した飼料設計・成長管理を科学的に再構築し、養殖の予測可能性を高める技術として期待されている。
プロジェクトでは以下の3点を検証する。
① 飼料設計…代謝データ解析により成長・品質に寄与する栄養素を特定し、科学的な飼料設計を検証
② 養殖環境…水温・溶存酸素・pH・密度など環境要因と生体状態の相互作用を解析し、成長サイクル全体を動的に最適化
③ 品質予測…分子・代謝データを基に早期バイオマーカーを構築し、収穫前に成長性・品質を予測する仕組みを整備する
7月〜9月の期間で、データ統合、AIモデル学習、最適化提案、検証、知見移転の5フェーズで進める。京王電鉄とNoka.AIは、データと科学に基づく養殖モデルを確立し、奥多摩やまめを「いつでも確実に手に入る食材」として飲食店へ継続供給できる体制を目指す。希少食材としての価値向上とともに、京王沿線から新たな食文化の創出につなげる。
