ダラーツリーnews|’18年通期売上高228億ドル・2.6%増も16億ドルの赤字

米国のダラーストアチェーン「ダラーツリー」が2月2日で終了した第4四半期と2018年度の業績を発表した。

第4四半期の売上高は62億0520万ドル(1ドル100円換算で6205億円)、前年同期比2.4%減。既存店売上高は2.4%増、純損失は23億0700万ドル、1株当たりの損失は9.66ドルだった。

2018年通期では売上高228億2330万ドル(2兆2823億円)で前年比プラス2.6%。既存店売上高は1.7%増、純損失は15億9080万ドル、1株当たりの損失は6.66ドルだった。

ただし、前年の2017年度は53週だったため、1週間分を除くと、第4四半期の売上高は4.2%、通年の売上高は4.5%それぞれ増加となる。

ダラーツリーは2015年7月に、当時、バラエティストア業界第2位のファミリーダラーを買収してトップに躍り出たが、まだ二つのバナーを展開している。第4四半期の既存店はダラーツリーが2.3%増、ファミリーダラーが0.4%減。買収されたファミリーダラーの既存店は相変わらず浮上せず。しかし通年ではダラーツリーが3.3%、ファミリーダラーが0.1%それぞれ増加した。

赤字は、ファミリーダラー買収に伴う資産評価額を下方修正したためで、27億3000万ドルを償却した。

今期は143店舗を新規開店し、14店舗を増床リニューアル、84店舗のファミリーダラーと10店舗のダラーツリーを閉店した。また、5店舗のファミリーダラーをダラーツリーのバナーに変更した。

2019年度は最大で390店舗を閉店する予定だ。さらに、200店舗のファミリーダラーをダラーツリーへバナー変更する。

継続的に開発、実験、テストを行っているファミリーダラーの新モデル店「H2」は、ダラーツリーの1ドル商品を導入して品揃えを調整した結果、客数が増え、売上げも10%ほど増加している。このフォーマットは今年度1000店舗の改装に適用される。

2019年度は、既存店の売上高を234億5000万ドルから238億7000万ドル、1株当たり4.85ドルから5.25ドルの利益を予測している。

2015年に買収したファミリーダラーの統合に思いの外、時間がかかっている。ダラーツリーは全ての商品を1ドル以下で販売し、一方のファミリーダラーは1ドル以上で販売している。このファミリーダラーのマーチャンダイジング方針は、トップ企業のダラーゼネラルと同じで、その意味でファミリーダラーは埋没してしまった。ダラーツリーの1ドル以下に徹する政策こそ、ファミリーダラーを蘇らせる戦略である。

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