ノードストロームnews|第1Qは33億ドル・3.5%減収/純利益は57.5%減少
米国百貨店第2位のノードストロームが5月4日で終了した2019年第1四半期決算を発表した。
売上高は33億4900万ドル(1ドル100円換算で3349億円)、前年同期比マイナス3.5%だった。このうち、フルライン店舗の売上げは5.1%、オフプライス店舗の売上げは0.6%、それぞれ減少した。
営業利益は7700万ドルでマイナス49.7%、純利益でも3700万ドルでマイナス57.5%の大幅減益となった。営業利益率は2.3%の低水準。「伝説のサービス」を誇るノードストロームでさえもフルライン百貨店が伸びず、オフプライスストアに頼った経営では営業利益率は低下していく。
反面、オンライン売上高は全体の31%を占めており、前年比では7%伸びている。
売上げの低迷に対しては、現在進めている改善策をこれからも続けることで乗り越える計画である。それは、第1に今期の売上げ減少の要因の一部となったロイヤルティ・プログラムの諸問題を解決すること、第2にデジタル・マーケティングへの投資、第3に適正な品揃えの追求である。ロイヤルティ・プログラムのノーディー・クラブ会員が購入する金額は、売上げの60%を占めており、現在の会員数は1200万人となっている。今期行った特典のデジタルへの移行は一部の顧客に不評で、それが客数の減少につながった。
不採算のフラッシュ・セールの削減とプライス・ポイントの引き上げなど、デジタル・マーケティングで削減しロイヤルティ・プログラムに注力したが、結果として客数を減らす結果になったため、今後は調整していく。
品揃えでは、女性の衣料品をより顧客ニーズに近いものにし、販促されたビューティー商品の在庫切れをなくしていく。
経費面では、生産性強化が進んでおり、今年度全体で1億5000万ドル~2億ドルの経費節減となる予定だ。
ローカル・マーケット戦略は、品揃えを増やし、迅速な配達を廉価で提供した結果、ロサンゼルス市場でのデジタル販売と客数は著しく成長した。また、3カ所のノードストロム・ローカルズでのピックアップは、ピックアップ全体の1/3ほどとなった。
今後はオンライン販売において最大の市場であるニューヨークで存在感を高めていく。10月24日には旗艦店の開店を計画しており、ノードストローム・ローカルのネイバーフッド・ハブも2カ所開店する。
新コンセプトストア「ノードストローム・ローカル」は現在、ロサンゼルスに3店舗を展開している。この新フォーマットはオムニチャネルやパーソナルサービスを重視する一方で、商品在庫を持たず、商品サンプルも置いていない店舗である。たとえば、ノードストローム・ローカル1号店には8つの試着室がある。顧客は、ノードストローム・コムで取り寄せたドレスやジャケット、シャツなどを試着してから、購入するか返品するかを決める。専属のスタイリストのアドバイスを受けることもできる。
また、今後行われるキー・イベントである年次セールでは、新しい品揃えを期間限定で割り引きし、顧客の需要に応える。
5月4日時点での総店舗数は380店で、フォーマット別店舗数は次の通り。
•百貨店(フルプライス)業態:
Nordstrom full-line(アメリカ) 113店
Nordstrom full-line(カナダ) 6店
その他 12店
•オフプライス業態:
Nordstrom Rack(アメリカ) 241店
ラストチャンス 2店
Nordstrom Rack(カナダ) 6店