フェアウェイマーケットnews|2度目の倒産申請でビレッジに売却予定

ニューヨーク市の老舗フェアウェイマーケットが1月23日、倒産申請した。典型的なマンハッタンのスーパーマーケットで、狭い店内に所狭しと圧縮陳列をする。マンハッタンの伝統型スーパーマーケットではどこよりも安くて、鮮度がいい。つまりマンハッタンの王者がフェアウェイマーケットだ。

1940年、ネイサン・グリックバーグがマンハッタンに青果店を開業して創業。その後、八百屋からスーパーマーケットへ、自然に業態転換していった。創業から55年後の1995年、ハーレム店をオープンして、成長の軌道に乗る。

2001年、ニューヨーク市の東側のロングアイランドの郊外にプレインビュー店オープン。さらに2006年、ブルックリンにレッドフック店オープン。

そして2007年1月、投資会社のスターリング・インベストメント・パートナーズ社に株式の過半を売却して、急成長を目論む。2009年、パラムス店とぺルハム・メイナー店、2011年7月にアッパーイーストサイド店、11月にダグラストン店をオープン。

そして2013年、ナスダックに株式上場。その調達資金を活用して、10月、ナニュエット店をオープン。この時点で合計15店のチェーンストアとなった。

しかし、2016年、上場からわずか3年で、連邦破産法11条を申請した。

その後、事業整理しつつ、復活を遂げて、今日に至るも、二度目の倒産申請となった。

ただし、今回も、会社清算をするわけでもないし、全店の売却をするわけでもない。一部の店舗と配送センターを売却する。

それでも財務状態は最悪で、手持ち現金は100万ドル以下と資金繰りに窮している。他の店舗も速やかな売却をすることが債権者や社員のために最善策であると倒産申請の書類には述べられている。

現在明らかになっているのは、ニューヨーク市の5店舗を売却することだ。その買収をするのは、ビレッジ・スーパーマーケットである。こちらはニュージャージー州、メリーランド州、ペンシルバニア州、ニューヨーク州で30店舗を展開している。ギリシャ系移民スマス兄弟によって、1937年に創業され、現在でもスマス家が経営している。ボランタリーチェーンの「ショップライト」に加盟していて、有力な企業である。店名はの「ショップライト」および「グルメ・ガレージ」。フェアウェイマーケットの5店舗と25000平方フィートの配送センターを7000万ドルで買収する。

買収される店舗は、本店のアッパーイーストのブロードウェイ店、ハドソン川沿いのハーレム店、チェルシー店、キップスベイ店、アッパーイースト店である。

しかしこの買収案件も決定したわけではない。条件の良い提案が出ると変わる可能性もある。

全店の売却が決まるまでは、債権者による2500万ドルのつなぎ融資によって、これまで通り運営が続けられる。

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