インディテックスnews|第1Q コロナ禍で売上高45%減・約215億円の赤字
「ザラ(ZARA)」や「ベルシュカ(BERSHKA)」などのフォーマットを擁するスペインのインディテックス(INDITEX:パブロ・イスラCEO)社は 2020年第1四半期(2月1日~4月30日)の業績結果と今後の成長戦略を発表した。
全店舗の88%を閉鎖するなどCOVID-19の影響を受けたにもかかわらず、総売上高は前年度比44.7%減の33億0300万ユーロ(約4062億円)に留まった。純損益は前年同期の7億3600万ユーロ(約905億円)の黒字から4億0900万ユーロ(約503億円)の赤字に転落した。
一方で、ECの売上高は前年同月比50%増と好調で、4月に限って見ると95%増となった。
同社はECの売上げ比率を2022年には25%以上に引き上げる計画で、設備投資として27億ユーロを予定している。そのうち10億ユーロがECのテクノロジー投資に充てられる。例えば、RFIDタグを使ったリアルタイムの在庫管理、ロジスティックスの最適化、マシーン・ラーニングを利用した最適在庫化などだ。
同社のオープン・プラットフォームによって、顧客はウェブまたはアプリで「ストア・モード」を利用することができる。実際の店舗在庫を確認できることで、オンライン購入や店舗ピックアップが容易になる。店舗に在庫がない場合は、「クリック&ファインド」によって在庫店舗を探すことができる。試着室の予約ができるアプリ「クリック&トライ」もある。同社のソーシャル・メディアは1億7000万人のフォローがあり、オンライン需要のベースとなっている。2020年末までには、店舗とオンラインを統合し、全てのブランドを世界のどこでもオンライン購入できるようにする計画だ。
同社は4月30日時点で7412店を運営しているが、2021年までに小型店や不採算店を中心に全体の13〜16%に当たる1000〜1200店を閉店する。その内訳は「ザラ」が250〜300店、「プル&ベアー(PULL & BEAR)」が140〜165店、「ベルシュカ」が135〜160店。一方で、最新のデジタル技術を備えた店舗を新たに約450店オープンする。なお、同社はこの大量閉店と新規出店に伴う引当金をこの第1四半期に計上しており、その分を除くと純損失は1億7500万ユーロ(約215億円)になる。