TESCOのクラークCEOがわずか3年で交代、代役はユニリーバから抜擢
7月21日、イギリス小売業1位のテスコが最高経営責任者(CEO)の交代を発表した。
現CEOは2011年に就任した第5代目のPhilip Clarke(フィリップ・クラーク)。2013年2月期決算では20年ぶりの減益、さらには日本やアメリカなどの主要マーケットからの撤退など、難しい舵取りが続いていた。アルディやリドルなどドイツから侵入してきた小型ハードディスカウンターとの競合が厳しい。「ボックスストア」といわれるが、アルディやリドルはディスカウント型の小型スーパーマーケット。それらがイギリス国内でも凄い勢いで力を増す中、テスコも販売価格の引き下げなどで対抗してきた。
しかし、結果は、2015年2月期の第1四半期の売上高が既存店前期比でマイナス3.3%と大幅に下落。上半期も売上高、営業利益ともに予想を下回ると発表されている。クラークCEOに対する批判は徐々に高まり、わずか3年での解任となった。
新CEOは現在、日用品・食品大手メーカーのUnilever(ユニリーバ)でパーソナルケア部門のトップを務めているDave Lewis(デーブ・ルイス)が就任する。就任日は10月1日。
(写真引用:Unileverホームページより)
テスコ側は「ルイスの国際的な経験やマネジメント、ビジネス戦略、ブランド管理などに関する専門知識はテスコに富をもたらす」と述べている。しかし、果たして、メーカーのトップが小売りのトップに就任して、立て直しはうまくいくのか。フィリップ・クラークの前任のテリー・リーヒーは中興の祖といわれるほどのCEOだった。そして生粋のテスコ育ちの知識商人だった。メーカー出身のルイスが、どうその壁を乗り越えるのか。『TESCO伝説』を持った、世界第3位の巨大リテーラー。その本来の底力をいかに引き出すか。それが新CEOの手腕にかかっている。
検索キーワード: TESCO 後任 就任 上半期 四半期 テリー・リーヒー