ウォルマート第2四半期決算2.8%の前期比増で「チェックアウト・プロミス」宣言

ウォルマートストアーズ・インクの第2四半期決算が発表された。
ウォルマート決算は1月末日だから第2四半期は5月から7月。
その期間の総売上高は1201億3000万ドル、売上高は1193億4000万ドル。
総売上高にはサムズクラブの会員費などが含まれるが、前年同月比2.8%の増収。
1年のほぼ4分の1の売上高で、25億ドルの増収。これは1ドル100円換算で2500億円。
年間1兆円も増やす勘定となるが、アナリストたちはそれでも満足しない。
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連結の純利益は40億9300万ドルで、これは前年同期の40億6900万ドルから0.6%増加。

ウォルマートは国内部門と国際部門に分かれる。
その国内部門はスーパーセンターやディスカウントストアのウォルマート部門とメンバーシップホールセールクラブのサムズ部門に分類される。
ウォルマート部門は全体の6割を占めるが、これが客数1.1%減、客単価1.1%増で、6四半期連続既存店割れ。
サムズクラブ部門も横ばい。
国際部門は好調で、売上高は339億ドルでプラス3.1%。
Eコマース部門は絶好調で、為替分を除いた売上高が24%のプラス。
アメリカ国内、英国のアズダ、中国とブラジルでは二桁台の伸び率を示す。

結果として7月31日現在の店舗数は国内合計4921店、海外27カ国で6132店、合計1万1053店。
国内の内訳はウォルマート部門のスーパーセンター、ディスカウントストア、ネイバーフッドマーケットなどで4281店、サムズクラブが637店。

売上げ低潮の最大の理由は、中核フォーマットのスーパーセンターの限界だろう。
もちろんEコマースのアマゾンなどに売上げを奪われているが、それはウォルマート自身のEコマースで対抗。
それよりもダラーストアなど小型ディスカウンターの影響が大きい。
最もダラーストア御三家の二番手ファミリーダラーは三番手のダラーツリーに買収されてしまったから、この業態全体が好調というわけでもない。

そこで、ウォルマートはまずネーバーフッドマーケットの店数急増を画策する。
ネイバーフッド・マーケットの既存店は客数プラス4.1%、売上高プラス5.0%。
この第2四半期で22店のネイバーフッド・マーケットをオープンさせ、今年度中に180から200店の新店計画。ウォルマートエクスプレスも90店の新店開発の予定。
小型店は270~290店の新店オープンの計画となる。これは年初の120~150店の計画から上方修正。

つまり超大型のスーパーセンターから小型店へと戦略転換を図るのが、今期ということになってきた。

とは言っても、今期、スーパーセンターは24店の新規開発と11店の増床・移転を敢行。今年度中にも総数で115店を開発する。

設備投資額は6億ドル(600億円)の計画。

第5代CEOダグ・マクミランのコメント。
「マーチャンダイジング、売価、店鋪のサービスレベルをさらに改善する方向だ」。
つまりインストア・オペレーションのイノベーションが重大なテーマとなっている。

この件に関して、店舗や本部のマネジャー6000人が集められて、「デンバー会議」が行われた。
テーマの一つは、サンクスギビングからクリスマスの「ホリデー・シーズン」のチェックアウトの時間短縮。
クローガーはこの面では画期的な成果を上げているが、ウォルマートもそれを狙う。

昨年のブラック・フラ イデーからクリスマスイブの時期、レジ待ちが顧客の不満の一番の理由だった。
そこで今回、「チェックアウト・プロミス」を宣言する。DSCN0215

これは激戦区ではときどき試みられてきた作戦で、ウォルマートの奥の手ともいわれるもの。

11月末から12月末まで、毎週末の繁忙時間帯に、すべてのレジを開放する。
ウォルマートの「チェックアウト・プロミス」、必ずや、やり遂げられるだろう。

ただしそれが数字を変えることに貢献するか否かは定かではない。

〈結城義晴〉

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