米国ホームセンター複占の2強ホームデポ、ロウズともに第2四半期伸び率5.7%

アメリカのホームセンター業界第1位・第2位企業の第2四半期決算。
そろって前年同期比5.7%増。
面白い。

第1位はホームデポで、第2クォーターの売上高は238億1000万ドル。
1ドル100円換算で2兆3810億円。
第2位のロウズは166億ドル、1兆6600億円。

ともに前年同期比5.7%。

既存店売上高増加率はホームデポが5.8%増、このうち国内既存店は6.4%の増加。
ロウズは4.4%の積み上げ。

純利益はホーム・デポが20億5000万ドル、ロウズが10億4000万ドル。
ホームデポの伸び率は14.2%、ロウズは10.4%。

利益率はホームデポに軍配が上がるが、1株あたりの利益はロウズが高い。
ホームデポは1株1ドル52セントで、22.6%の増加に対して、ロウズは1ドル64セントで20.6%増。

アメリカのホームセンター業界はもちろん世界一。

ホームデポはサブプライムローンの崩壊以前は、ウォルマートに次ぐ小売業第2位だった。
それが住宅ローンの破たんで、住宅需要が減り、リフォームなどのニーズも減った。
それによってトップ企業のホームデポの売上げは激減。

2014年のチェーンストアランキングでは第5位につけている。
世界年商788億1200万ドル、米国内年商699億5100万ドル、伸び率6.6%。店舗数は1965店。

ロウズは全米チェーンランキングで8位。
世界年商534億1700万ドル、国内年商522億1000万ドル、伸び率3.6%。
そして店数は1717店。

米国第3位のホームセンターは、ずっと下がって全米ランキング46位のメナード。
米国内だけの展開で年商88億9200万ドル、伸び率5.3%。店舗数284。

完全なる2強。
これを寡占に対して、複占という。
寡占は数社によってそのマーケットのほとんどが占められてしまうこと。
複占は2社によってほとんどが占有されてしまうこと。

日本のホームセンターはトップがDCMホールディングス。
2013年度年商4342億円、伸び率0.0%。
そしてこれは日本小売業ランキング24位。
ホーマック1920億円、カーマ1293億円、ダイキ1071億円の統合企業。

ホームセンター二番手はカインズで小売業29位、年商3696億円、伸び率8.3%。

そして三番手はコメリで、小売業37位、年商3356億円。伸び率5.1%。

さらに45位のコーナン商事が年商2871億円、0.8%の伸び率。
57位のナフコが年商2327億円で、3.8%の成長率。

日米の人口比がだいたい1対2.5だから、日本のホームセンターはまだまだ企業規模が小さい。
カインズとコメリが昨2013年度は好調だったっが、寡占状態にもなってはいない。

アメリカは完全に複占で、したがって両社の伸び率は拮抗している。
日米ホームセンター業界の最大に違いはここにある。

ホームデポCEOのフランク・ブレイクのコメント。
「春の季節商品が今期後半成長した。中心となる商品カテゴリーが全展開地域で好調だった。
需要が伸びている時期に、社員が献身してくれた。それに感謝したい」

一方、ロウズCEOのロバート・ニブロック。
「繁忙期に貢献してくれた社員に感謝したい。おかげで順調な業績を今期上げる事ができた。
第1四半期に悪天候で失った売上高をほぼ取り戻すことが出来た」

ともに従業員に感謝の意をまず、表明している。

アメリカの個人消費は、今年の第1・第2四半期とも伸びている。
それはホームセンター2強にとっても同じように追い風になっている。

アメリカはウォルマートとターゲットという総合化小売業が他を圧していた。
しかしここへきて、その2社に陰りが見え、「住生活」を担うホームセンターが好調。
カテゴリーキラーの時代が再び、訪れようとしているのか。
それともウォルマート、ターゲットの総合の巻き返しがあるのか。

両業態とも複占状態であることは変わりないのだが。
そしてウォルマートとターゲット、ホームデポとロウズ。
企業ポリシーからターゲット顧客まで、対極にあったうえで複占を形成している。
これが極めて重要なことだ。
つまりSTPマーケティングが、複占の背景となっているのである。

〈結城義晴〉

 

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