1位ダラーゼネラル、2位ファミリーダラー買収断念しても2014年度は増収増益

ダラーゼネラルの2014年度第4四半期ならびに通期決算が発表された。ダラーゼネラルはアメリカのバラエティストアのトップに君臨し、1月末時点で全米40州、1万1789店舗を展開する好調企業である。

ワンコインストアは、1879年 フランク・ウールワースが「The Great Five Cent Store」を創業して始まった。つまり5セントストア。業態用語としては「バラエティストア」と呼ばれた。その後、5セント&10セントストアとなり、今、1ドルストア、つまりダラーストア。

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ダラーゼネラルの第4四半期、つまり2014年11月~2015年1月末までの売上高は49億3906万ドルで前年伸び率9.9%。純利益は3554万ドルで10.3%の増加。

さらに、2014年2月~2015年1月末までの通期売上高は189億0958万ドルで8.0%伸長。既存店伸び率は2.8%となった。純利益も10億6534万ドルで3.9%の増加をみせた。店舗数は657店舗を加え、1万1789店と順調に伸ばしている。

同社の発表では好調の要因は総店舗面積の増加に合わせ、消耗品、家庭用品、アパレルからたばこ製品までの品揃えを常に改良していることにあるとしている。

会長兼CEOのリック・ドレイリングは、「2014年度は25年連続で既存店売上げを伸ばした記念すべき年となった。第4四半期の勢いある大幅伸長は2015年度の成長を後押しするものとなるだろう。次年度の売上高は今年度の8%伸長から9%へ、既存店成長率の3%を3.5%へ、さらに新店オープンによる売場面積の増加率を2016年度までに7%にすると予測を立てる」 と語り、今後の見通しは明るい。

昨年の夏から秋にかけて、バラエティストア企業トップ3の間で、買収騒動が勃発したのは記憶に新しい。バラエティストア業界2位のファミリーダラーが3位のダラーツリーに買収されることになり、それを良しとしない業界トップのダラーゼネラルが後出しジャンケンのような形で、ファミリーダラーの買収へと動いた。しかし、業界1位と2位の合併は通常、独占禁止法に抵触する可能性が高く、連邦取引委員会に認められない場合が多い。結局、ファミリーダラー側はそれを懸念し、ダラーゼネラルの提案を拒否。そしてダラーツリーに買収されることで決着をみせた。

ダラーゼネラルの買収の試みは成功しなかった。

アメリカのバラエティストア業界は典型的な三占状態だったが、それが「複占」へと移り変わった。ダラーゼネラル自体は規模拡大のチャンスを失して、第2位連合軍に追い上げられはしたが、CEOの自信あふれる発言はそれを振り払うかのようにも思える。

日本のコンビニ業界は第3位が第4位を吸収合併して、さらに地方コンビニを傘下に入れて、店舗数第1位、売上規模第2位になろうとしている。三占である。しかし合併連合軍は、いずれの場合にも、経営の質が低下する。ドレイリングCEOの発言の自信は、そのことを裏付けている。

 

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