米国スプラウツ･ファーマーズマーケットの第2四半期は21％増で絶好調

米国スプラウツ・ファーマーズマーケットは、絶好調を堅持している。

一昨年2013年の8月にナスダックに株式上場して以来、その絶好調は留まるところを知らない。
6月28日の日曜日に締めて決算した第2クォーターの営業収益は9億ドル。1080億円。前年同月比21.0％の増加。比較可能な既存店の売上高はプラス5.1％。純利益も3130万ドルで、37億5600万円。こちらは低く抑えて3.9％の増加。1株当たり利益は20セント。

今四半期は新店を8店開設し、初めてテネシー州に出店。しかも2店舗をオープンさせた。今年度に入って、11州に22店の新店開発を行って、店舗数は今や212店。店舗展開は今年度、14％増加。さらに第3、第4四半期には5店舗のオープンを計画・発表している。つまり利益を新店投資につぎ込んでいる。
成長企業の鉄則をしっかり守っていて、自然食品スーパーマーケットではあっても、チェーンストアの定石を踏み外さないところがアメリカ小売業らしい。

ただし、昨年度の売上げ伸び率は21.7％、その前の年は35.8％だから、この四半期の勢いは前年並みということになる。既存店は昨年度9，9％増、一昨年度10.7％だからその伸び率には明らかな低下がみられる。

店舗増加によって、既存市場ではカニバリゼーションが起こる。自社内競合による売上げダウンだ。その影響度はこれまで1％弱の既存店売上げダウンが見られていたが、今期の集中オープンによって、1.75％の既存店売上げダウンとなった。

スプラウツのコンセプトは、Healthy Living For Less。

わかりやすく言えば、「ホールフーズマーケットより、安く提供します」。低価格のベジタリアンスーパーマーケット。青果部門は素晴らしい。

別の見方をすれば、アメリカ流大型八百屋。

店舗中央のレジ前には、巨大なバルク売場が横たわる。
バルクはローコストオペレーションに大いに効果を発揮する。

この低価格＆健康のマーケットは巨大な潜在力を持っている。
そのためにスプラウツは現在、プライベートブランドを強化している。今年だけで150アイテム以上の追加が行われた。このPBは全体の売上げ傾向を上回って伸びている。

さらにサラダ・バーを実験的に追加して、成功。今後の新店、改装店に導入される。

ヘンリーズ・ファーマーズマーケット、サンフラワー・ファーマーズマーケットなどを統合して200店規模のチェーンストアになったスプラウツ。その併合した既存店には積極的に再投資して、店舗年齢を引き下げる。

過去13年間、CEOを務め、上場を果たしたダグラス・サンダースはチェアマン(会長)となり、新しいCEOは現CFOのエーミン・マレディアに引き継がれる。これも実にタイミングのいい継投人事で、スプラウツの成長は維持されるに違いない。

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