2016年全米チェーンストアランキング・トップ100社発表!!

全米小売業協会（NRF）が発行する月刊誌「Stores.org」が、カンター・リテイル社の協力で「2016年小売業トップ100社（2016 Top 100 Retailers）」を発表した。商人舎では、このランキングを「チェーンストア・ランキング」と呼称する。

このランキングはアメリカ国内の売上高で順位をつけたもの。国内売上高のほか、売上高前年比、海外店を含めた総売上高、総売上高に占める国内売上高比率、店舗数も記載されている。

1位はゆるぎなくウォルマート。米国内での売上げは3531億ドル。

2位以下10位まではクローガー、コストコ、ホーム・デポ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ターゲット、CVSヘルス、アマゾン、アルバートソン、ロウズと続く。

10位以内でランキングが昨年から変動したのは、アマゾンがロウズを抜いて8位に、セーフウェイを買収し たアルバートソンも合併効果でロウズを抜いて9位となった。

昨年9位と待望のトップテン入りを果たしたアマゾン・ドットコムは8位にランクアップ。アマゾンの市場シェア増加に対応し、各小売業はオムニチャネル化への投資を強化している。

ウォルマートは Eコマースのテクノロジーとロジスティックスに20億ドルを今後数年で投資する予定。
2位の全米最大のスーパーマーケットチェーン・クローガーは、設備投資総額40億ドルの大半を使って、オンライン販売の店舗ピックアップ・サービスである「クリックリスト」を拡大している。クローガーの店舗数3747は、コンビニエンスストア、宝石店などを含めたもの。同社は2013年に南東部から東海岸に店舗を展開するハリス・ティーターを買収したことで売上高が1000億ドルを超え、さらにラウンディーズを買収して、その数字は来年度に表面化する。

15位にランクされた百貨店最大のメイシーズのEコマースは、 昨年15％成長し、Eコマースの売上高は60億ドルとなっている。6位にランクされたターゲットは、遅れていたオムニチャネル化の推進に加えて、顧客に最適な品揃えと店舗網の構築を進めてい る。

以下、上位20社と主だった小売業をリストアップした。

3位は14年にトップ3入りしたコストコがキープ。米国内店舗数476に対して、米国内売上高が835億4000万ドル。1店舗当りの売上高は約1.75億ドル（100円換算で175億円）で、他企業の追随を許さない。

6年以上にわたって8位にランクインしていたロウズは、ぎりぎりベストテンを保持。同社はホームセンターチェーンで、住宅リフォーム・生活家電も扱う。創立は1946年。店舗は米国各州とカナダに展開している。

14位のパブリックスは第1位のクローガー、2位のアルバートソンに次ぐ全米3位の非上場スーパーマーケット。2016年度年商349億4900万ドルは1ドル100円換算で約3兆5000億円。

17位のアホールドUSAは、オランダの多国籍小売業ロイヤル・アホールドの米国持株会社。ロイヤル・アホールドはオランダ・アムステルダムに本社を置き、ベルギーに本拠を置くデレーズと経営統合する。

アメリカや世界の大チェーンストアは、大と大、強者と強者が、まだまだ経営統合していく。もちろん弱者と弱者の統合もあって、その差は開くばかり。「日本もやがて」と思わせるアメリカのランキングの動きである。

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