ホールフーズ通期決算は2年連続「増収減益」、創業者ジョン・マッケイ単独CEO体制へ

11月2日、ホールフーズ・マーケットが2016年9月期の第4四半期決算と通期決算を発表した。

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第4四半期の売上高は34億9700万ドルで、前年同期比1.7%のプラス、純利益は8800万ドルで57%のプラス。しかしながら、既存店売上高は2.6%減少した。

通年では売上高157億2400万ドルで、昨年対比2.2%増加。純利益は5億0700万ドルで、5.4%の減少。昨年に続き、2年連続での「増収減益」となった。既存店売上高もマイナス2.5%と、これまでの怒涛の成長劇に陰りが見えてきた。

ただし、ジョン・マッケイCEOは「食品小売業にとってさまざまな逆風が吹く中、われわれは健康食品販売にさらなる進展をもたらしました。さらに新店開発や新テクノロジーへ投資しつつ、株主への1億ドル以上の配当を行いました」と強気で総括する。

共同CEOのウォルター・ロブも次のように語る。「食品小売業はとてつもなく早いスピードで進化しています。消費者がオーガニック食品を購入する場所や方法は格段に増えています。それと同時に、新鮮かつ健康的な食品に関する意識は高まり続け、市場は拡大しています。われわれは、店舗とデジタルの両面で、みんなが地域との連帯感を感じることのできるようなイノベーションを続けていきます」

しかし、マッケイもロブも指摘するように、米国のオーガニック市場はウォルマートやクローガー、アルディをはじめ、あらゆる企業が強化し、売場を拡張している。しかも、オーガニックは高いという概念を覆すほどに、価格競争が激しくなってきた。その結果、ホールフーズの純利益は2年連続でマイナスとなった。
その責任をとる形で、過去6年間、共同CEOとして経営の舵を切ってきたウォルター・ロブのCEO退任が、通期決算結果と同じ日に発表された。2017年からは創業者のジョン・マッケイが単独CEOとなり、ロブは相談役として取締役会に残留する。

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ウォルター・ロブ (出所:Whole Foods Image Libraryより)

このロブの退任に対する、アメリカの経済誌『フォーブス』の見方は厳しい。「ホールフーズにとってロブの退任がもらたす失費は、彼への莫大な退職金だけではない。カリスマ性のあるマッケイの、時に突飛で時に不誠実なリーダーとしての態度に対して、社内にもメディアにも非常に良い影響をもたらしていたロブの存在はホールフーズにとって貴重な財産であった。最大の損失はロブのビジョン、経験、そして事業に対するプロ意識だろう」

今年度、ホールフーズはディスカウント・タイプの新フォーマット「365 by Whole Foods Market™」を開店し、プライベートブランド商品を5億ドル以上売上げた。自社アプリ「Whole Foods Market」でのデジタルクーポンやチラシの発行、インスタカートとの提携など、積極的な市場戦略を展開している。新フォーマットの効果が今期、実を結ぶか否か、はたまたロブの退任が裏目に出るか否か。ジョン・マッケイ単独CEO体制を敷いたホールフーズにとって、まさに正念場の年である。

 

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