ウィンデキシーnews|かつての名門スーパーマーケット企業の倒産申請

米国スーパーマーケットの名門ウィン・デキシーが倒産する。現在は、フロリダ州ジャクソンビルに本拠を持つ「サザン・グローサーズ」傘下にあるが、この会社がチャプター11を適用申請して、94店舗を閉鎖する。

サザン・グローサーズはウィン・デキシ―をはじめ、バイ・ローなどの店名で米国南部にスーパーマーケットを展開する。閉鎖はアラマバ州、フロリダ州、ルイジアナ州とミシシッピー州のウィン・デキシー、ジョージア州のハービーズ、ノース・カロライナ州とサウス・カロライナ州のバイ・ローなど。94店舗を閉鎖するが、まだ582店舗が残る。

チャプター11は「連邦破産法11章」で、日本の民事再生法に当たる。再建型倒産手続きだ。同社CEOのアンソニー・ハッカーは、次のように語っている。
「この倒産申請によって、負債を減らす。そのうえで、残りの600店弱の店舗を3年計画で改装し、再生させ、成長への軌道を探る」。

南部地区はウォルマートとパブリックスが強力だ。それ以外にもアルディ、フレッシュ・マーケットなどもあり、競争は激しい。さらにAmazon.comの脅威も迫る。

1970年段階で、ウィン・デキシ―は全米第15位の小売業だった。年商50億ドル。スーパーマーケットでは全米第9位。小売業2位でスーパーマーケット1位がA&P、以下小売業3位がセーフウェイ、5位がクローガー、10位からフードフェア、11位アクメ、12位ジュエル、13位ナショナルティー、14位ラッキーストアーズと続いていた。

1980年段階では、同じく小売業第2位で、スーパーマーケット1位はセーフウェイ、小売業第5位がクローガー、第7位A&P、第8位ラッキー、第10位アメリカンストアーズ、そして小栗行第12位にウィン・デキシーで年商53億ドル。このときスーパーマーケット6位に躍進した。

さらに1990年段階では小売業第4位でスーパーマーケット1位はアメリカン・ストアーズ、同じく小売業第5位クローガー、第7位セーフウェイ、第9A&Pに次いで、第12位ウィン・デキシー、第14位アルバートソン。この時点ではウィン・デキシ―はスーパーマーケット5位。

2000年になると、小売業第2位でスーパーマーケット1位がクローガー、小売業第7位アルバートソン、第10位セーフウェイ、第17位パブリックス、第19位にウィン・デキシーで年商159億ドル(1ドル100円換算で1兆5900億円)。スーパーマーケットベスト5を堅持していた。

そのウィン・デキシーの事実上の倒産は、感慨深い。現在のアメリカでは、ナショナルチェーンはクローガーとアルバートソン。リージョナル・チェーンはパブリックス。あとはHEBとウェグマンズ。生き残りは特別のポジショニングを有する企業以外にない。

これが日本のスーパーマーケット産業にとって「すでに起こった未来」なのか。

検索ワード:ウィン・デキシ― セーフウェイ クローガー A&P アルバートソン

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