4月の百貨店売上高は13.7%増、訪日外国人20万人超えで過去最高のプラス221.4%
平成27年4月の全国百貨店売上高概況が、日本百貨店協会から発表された。
調査対象は前月と変わらず82社239店。百貨店の店舗数は少しずつ減るだけ。増えることはほとんどない。
だから総売上高は既存店売上高とイコールとなる。
その4月の全国百貨店売上高は4722億5823万円、2カ月ぶりに前年同月比13.7%プラス。
昨年4月は消費税増税直後の買い控えによる大幅減の反動があったため、前年比では売上げが大きく伸びた。ただし一昨年対比では0.1%増の微増。ここが重要な点で、同時に百貨店の店数が変わらないことの理由。
地区別では、
東京は、1278億9363万円、プラス17.8%(2カ月ぶり)
大阪は、601億0744万円、プラス18.3%(2カ月ぶり)
名古屋は、298億1562万円、プラス20.1%(5カ月ぶり)
多くの地区で二ケタ増となり、全地区がプラス。
商品別では、
衣料品は1651億3516万円、プラス9.9%(2カ月ぶり)
身のまわり品650億0147万円、プラス19.2%(5カ月ぶり)
雑貨779億6623万円 、プラス44.2%(2カ月ぶり)
家庭用品233億1060万円、プラス16.1%(13カ月ぶり)
食料品1116億5627万円、プラス2.9%(2カ月ぶり)
身のまわり品、雑貨、家庭用品が大幅増。衣料品も二桁増に迫る勢い。主要5品目すべてが前年を上回った。
細分類では、子供服、その他衣料品(高級寝具含む)、家電が大幅伸長。
また、化粧品はプラス48.6%。美術・宝飾・貴金属に至っては77.3%の伸び。
これは株高によって消費マインドが上向いてきていることと、訪日外国人パワーによるもの。
4月は、中国の清明節、花見ツアー客の影響もあり、購買客数が初めて20万人を超え、プラス206.6%を記録。それに伴い、売上高も過去最高のプラス221.4%となった。この傾向はまだまだ続く。
大手百貨店グループの4月の売上高は、どの企業も順調な伸び。
㈱三越伊勢丹ホールディングス 14.8%プラス
J.フロント リテイリング㈱ 16.6%プラス
㈱髙島屋 18.1%プラス
エイチ・ツー・オー リテイリング㈱ 13.0%プラス
ちなみに三越伊勢丹ホールディングスの4月の売上高は835億0977万円。やはり、身の回り品、雑貨、家電に大きな伸びがみられた。
今後も続くであろう訪日外国人客の売上げに百貨店は期待する。特に化粧品、美術・宝飾・貴金属、雑貨、家電などは大きな販売チャンスがある。日本人客、外国人客どちらの集客も期待された5月のゴールデンウイークも終わり、どんな結果が出るのか楽しみだ。また、これからいよいよ中元の季節が始まる。贈答品には未だブランド価値を求める日本人の気質。この贈答シーズンこそ百貨店の出番である。
衰退業態の百貨店、日本の観光立国化が進み、アジアの国の枠がとれたら、もしかしたら成熟業態に戻るかも知れない。歴史上、そんな現象は見られないけれど、中国の「解放」とアジアの「国際化」という21世紀の新局面が、それを可能にしている。
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