ユニー・ファミマnews|伊藤忠が公開買付けで50%の株式保有して子会社化
伊藤忠は現在、ユニー・ファミリーマートホールディングスの41.45%の株式を保有して、持分法適用関連会社としている。取締役3名および監査役1名が伊藤忠の出身者で、40人の従業員が出向している。もちろん商品取引もある。
今回の子会社化は、その関係をさらに深め、意思決定のスピードを上げることを狙いとしている。もちろん今回のマターは、昨2017年3月に、伊藤忠副社長からユニー・ファミリーマートホールディングス社長に就任した高柳浩二氏の意思だろう。伊藤忠の子会社となることが、ユニー・ファミマにとっても成長を促すという考え方である。【結城義晴の述懐】昨2017年2月10日、三菱商事(株)の(株)ローソンに対する株式公開買い付けが終了して、子会社化が実現した。その公開買付けは、前年の2016年12月22日に開始し、翌2017年2月9日に終了。三菱商事の出資比率は33.4%から50.1%になって、やはり過半数を持つ完全子会社となった。株式取得金額は1440億円だった。
高柳浩二伊藤忠副社長がユニー・ファミマホールディングス社長に就任したのは、その直後のことだ。高柳氏は、1975年、早稲田大学理工学部を卒業して、伊藤忠商事に入社、2005年に執行役員、2008年に常務取締役、2015年に副社長に就任。食料事業部を統括していた。今回のユニー・ファミマの子会社化で、食料カンパニーは伊藤忠内でさらに大きな発言力を持つことになる。
伊藤忠側は、ITと金融を結びつける「フィンテック」や人工知能(AI)などの先端技術を用いて、ファミリーマートの顧客データを十二分に活用すると発表している。
しかし2016年9月に、ユニーグループとファミリーマートが統合して、今夏で丸2年が経過する。今回の子会社化はその統合の密度を一挙に高め、さらにドン・キホーテとの資本・業務提携に対しても、伊藤忠の発言力を高める狙いがあると見る。
三菱商事のローソン子会社化以上に、この伊藤忠のユニー・ファミマ子会社化は、成果を上げるだろう。完全な経営統合は通常、10年かかる。それが伊藤忠の子会社となることで、一気に進むという効果を見込めるからだ。