5月スーパーマーケット統計|青果相場安とアニサキス報道で既存店▲0.6%

日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査による「5月スーパーマーケット販売統計調査」が発表された。調査対象企業は194社。

5月の総売上高は8955億3318万円。既存店は前年同月比0.6%減となった。5月は日曜日が1日少ない曜日回りと青果相場下落の影響を受け、主力の生鮮が伸びず全体でマイナスとなった。

部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は下記のとおり。

食品合計 8025億6606万円(89.6%)▲0.5%
生鮮3部門合計 3025億3286万円(33.8%)▲1.7%
・青果 1238億4741万円(13.8%)▲2.8%
・水産 766億0798万円(  8.6%)▲3.5%
・畜産 1020億7747万円(11.4%)+1.0%
惣菜 902億8961万円(10.1%)+0.3%
日配 1743億2535万円(19.5%)▲0.4%
一般食品 2354億1824万円(26.3%)+0.6%

非食品    686億0541万円(7.7%)▲1.8%
その他      243億6220万円(2.7%)▲1.3%

JSAの江口法生事務局長が消費動向と販売傾向を解説した。

「5月は昨年より日曜日が1日少なくマイナス0.6%だった。4月は逆に1日多いためプラス0.9%。したがって2カ月単位で見ると昨対はクリアしている。青果物の相場は安い状況で推移している。天候は、雨が少なく気温は昼間が高く、朝晩は過ごしやすかった。そのため涼味商材が跳ね上がることもなかった。ゴールデンウイーク、こどもの日、母の日があったが、たとえば、こどもの日の柏餅などの売上げもあまり伸びていない。今年のゴールデンウイークは最大9連休にもなったことで、大型店にお客さまが流れた傾向が見られた」(江口事務局長)

青果の▲2.8%が影響して生鮮3部門全体では▲1.7%。しかし比較的相場が安定している果物は好調だった。水産は不漁が続いたことに加えて、アニサキス報道が影響して▲3.5%。生鮮3部門の中で唯一プラスだったのは畜産の1.0%。和牛は相場高により不調だったものの、輸入牛の売込み強化により全体的には伸びた。とくにゴールデンウイーク期間を中心に、ステーキ、焼肉需要が高かった。

惣菜は、天候に恵まれたゴールデンウィークに行楽需要が高まり好調。こどもの日や母の日には寿司の売上げが伸びたが、一方で、気温の上昇により揚物の動きは悪かった。

日配は、前年より気温が低かったことで、飲料や涼味系商材が伸び悩んだ。前年特需のあった機能性ヨーグルトは反動で落ち込んだ。しかしメディアで話題になった甘酒や豆乳などは引き続き好調に動いている。

一般食品は、気温の高かった地域では飲料や素麺が動いた。6月からの酒税法改正前の駆け込み需要により酒類は好調だった。

非食品は、前年値上げ前特需の反動で紙類は不調。またホームセンター、ドラッグストアとの価格競争による低迷から、売場を縮小する企業が見うけられ、マイナス1.8%で終わった。

食品も非食品もすべて昨対マイナスと、5月単月で見るとスーパーマーケットは厳しい商況となった。

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