12百貨店売上速報|4社とも増収/高額品や秋冬物商品中心に売上げ好調
主要百貨店4社が12月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比105.4%、大丸松坂屋百貨店は107.8%、阪急阪神百貨店は108.7%、高島屋は108.4%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で105.4%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは111.0%、三越日本橋本店は102.7%、三越銀座店は114.4%、伊勢丹立川店は97.7%、伊勢丹浦和店は95.9%。首都圏5店で既存店108.1%と好調が続く。
商品面では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ・財布・衣料品のほか、宝飾品、化粧品などが堅調に推移した。12月も引き続き気温の低下により婦人・紳士ともにコートやセーターなども売上げを牽引した。加えて基幹3店を中心に春物への関心も高まっている。
免税売上げは、前年実績を大きく上回った。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾品・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比107.8%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも107.5%だった。
12月度の売上高は、気温の低下に伴いコートが売上げを伸ばしたほか、ラグジュアリーブランド、化粧品、
時計がインバウンド需要を含め好調を持続した。また、おせちも単価アップにより好調に推移した。
店舗別では、15店舗中12店舗が前年実績を上回った。外商顧客向け催事の売上げが好調だった心斎橋店のほか、訪日外国人売上高が好調な梅田店、札幌店が対前年2桁増となった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、前年同月比45.5%増 (客数同50.1%増、客単価3.1%減) となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比108.7%、阪急本店が113.4%、阪神梅田本店が109.3%だった。
気温の低下に伴い、11月まで動きが鈍かった重衣料を中心とする秋冬ファッションが高稼働。国内客の消費マインドも高く、インバウンドも含めて来店客数も順調に推移した。また、長期連休となる年末年始に向けた商戦も、各店において活況を見せた。中でも、阪急・阪神両本店の月間の売上高は前年に対し約1割増と全体を牽引した。
免税売上高は、前年に対して約3割増、阪急本店も約3割増と引き続き好調で、前月の売上高も上回った。同月の
売上高では19カ月連続で過去最高を更新した。
お歳暮ギフトについては、節約志向の影響もあり全体として前年の売上実績を下回った。クリスマスケーキ (事前予約) についても、価格の上昇に加えてクリスマス当日と前日が平日ということもあり、前年の売上げ実績を下回った。一方、おせち料理の受注については前年並みの売上げ結果だった。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比108.4%、国内百貨店子会社3社を加えると108.1%だった。
12月度の店舗別売上高は、大阪店105.8%、京都店112.7%、日本橋店112.1%、横浜店105.4%、新宿店112.9%、玉川店109.5%、EC店112.4%と7店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ用品、美術品が前年実績を上回った。