九州シジシーnews|製配販データ連携による食品ロス削減の実証実験

CSR

(株)九州シジシー(福岡市博多区、杉村哲社長)と(株)スーパー細川(大分県中津市、細川唯社長)は食品ロス対策およびサプライチェーンの効率化、製販各社の売上げ向上への効果を検証する実証実験を行う。

実証実験は旭食品(株)を始めとした食品メーカー、日配製造業の協業組合が参画し、(株)日本総合研究所が実証実験の全体設計と効果検証、IT支援企業の今村商事(株)がシステム設計を担当する。顧客情報を含むID-POSデータを用いた需要予測を行うことによって、小売業・卸売業の発注精度がどの程度向上するのかを検証する。また、需要予測データを製造業と連携させることで、過剰生産を抑止するための生産計画の可能性についての検証する。

実証実験は、経済産業省委託事業「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT技術を活用したサプライチェーンの効率化及び食品ロス削減の事例創出)」として行われるもので、1月22日から2月23日まで、大分県・福岡県内で実施している。

小売業者であるスーパー細川全3店(大分県・福岡県)のポイントカードからID-POSデータを取得し、卸売業者である九州シジシーおよび旭食品に共有する。次に、卸売業者は共有されたID-POSデータを基に需要予測をする。その後、卸売業者から製造業者である九一庵およびフジミツ、そしてスーパー細川へ需要予測データの共有をする。

スーパー細川では受け取った需要予測データを基に発注量を決定し、卸売業者・製造業者に共有する。実証実験の成果については、後日発表する。各参画企業は、実証実験の結果を検証した上で、サプライチェーンの効率化および食品ロス削減に役立つサービスの開発と社会実装に向けた活動を推進する。

今回の実証実験では賞味期限が短く、食品ロスの発生が生じやすいとされている和日配(豆腐・練り物など)を対象として行うが、期待する効果として、以下の2点を想定している。

第一にID-POSを活用した需要予測による卸売業・小売業の発注精度向上。小売業者が保有するID-POSでは、「何が・いつ・どこで買われたか」という商品についてのPOSデータに、購買履歴を含めた顧客情報を紐づけることが可能となるため、「商品Xは商品Yと一緒に買う人が多い」といったことまで分かるため、幅広い分野で発注精度の向上を図ることが期待できる。

サプライチェーンの中心である卸売業が需要予測を行い、卸売業者・小売業者の発注業務に役立てる。実証実験前後における発注・在庫数や廃棄率、粗利などの増減を検証するとともに、需要予測の効果的な活用ポイントや導入課題を整理する。

第二に需要予測のサプライチェーン間での早期共有と生産計画の精度向上。卸売業者が保有するID-POSを用いた需要予測データをサプライチェーン間で共有することによる、過剰在庫の抑止効果や生産計画の精度向上の可能性についても検証する。

また、製造業者での納品リードタイムを緩和することで、実際の発注量に近しい量の生産を行うことによる、過剰生産の削減についての検証もする。対象製品の一部について、需要予測に基づいた発注量を、納品日の2日前に製造業者に共有する。なお、実証実験では実際の発注データの連携をするが、それによる生産量の変更は行わず、机上データで可能性を検証する。

関連カテゴリー

CSR

CSR 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧