ヤオコーnews|63期4605億円5.8%・経常利益12.2%の31期連続増収増益

(株)ヤオコー(埼玉県川越市、川野澄人社長)が63期に当たる2020年3月期の本決算を発表した。

営業収益は4604億7600万円(前期比5.8%増)、営業利益は198億8200万円(11.1%増)、経常利益は196億2900万円(12.2%増)、純利益は124億5800万円(5.6%増)の増収増益だ。これはヤオコー単体決算で31期連続増収増益となる。

営業利益率、経常利益率ともに4.3%。

ヤオコーは「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針としている。そのうえで第9次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)では「『ヤオコーウェイ』の確立」をメインテーマに掲げ、「『チェーン』を強くする構造改革」と「商圏内シェアアップ(1km商圏シェアアップ)」を優先課題に挙げて取り組んでいる。

商品面では、独自商品の開発と育成を軸にしてミールソリューションの充実に注力した。とくに、プライベートブランドの「Yes!YAOKO」、ライフコーポレーションとの共同開発ブランド「star select」をはじめ、国内外における新たな産地・供給元の開拓、原料調達から入り込んだ商品開発、直輸入商品の導入を進めた。

販売面では、旬・主力商品の販売力強化を図るとともに、「夕市」を起点とした夕方以降の売場の活性化にも取り組んだ。また、「ヤオコーカード」によるFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)を活用したマーケティング施策を進めた。とくに、消費税増税後の消費マインドの変化に合わせて、従来にない強力な販促施策を展開した。

店舗作業工程の見直しも進めた。生産性向上モデル(カイゼン)の深化とその水平展開を継続した。また、セルフ精算レジ導入店舗の拡大、業務支援の根幹となる新基幹システムをはじめとするIT・機器の活用による自動化、業務効率化も重点的に進めた。

6月に埼玉県川越市「川越今福店」、7月に埼玉県東松山市「東松山シルピア店」、12月に埼玉県本庄市「本庄中央店」、1月に東京都東久留米市「東久留米滝山店」、3月に群馬県伊勢崎市「スマーク伊勢崎店」の5店舗を新規出店した。既存店の活性化策として9店舗の大型改装を実施した。また、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは、8月の「川越今福店」で5号店目の開業となった。

2017年4月3日に完全子会社とした(株)エイヴイは、9月に「エイビイ南部市場店」を神奈川県横浜市に新規出店した。

2020年3月31日時点の店舗数は、ヤオコー166店舗、エイヴイ12店舗となりグループ全体では178店舗である。

2021年3月期(64期)の営業収益は4731億円(2.7%増)、営業利益は202億円(1.6%増)、経常利益は199億円(1.4%増)、純利益は127億円(1.9%増)を見込んでいる。

【結城義晴の述懐】
ヤオコーの31期連続増収増益は、快挙だ。1989年決算からの連続である。私事で恐縮だが、この89年の平成元年、私は(株)商業界の「食品商業」編集長に就任した。だから私の編集長時代から、商業界取締役時代、専務時代、社長時代、そして(株)商人舎社長になってからの13年間まで、ヤオコーはずっと増収増益を続けている。ここまでくると永遠に続きそうな感覚になるが、樹木がどんな気候変動のときにも必ず外側に年輪を刻むように、ヤオコーには毎年、少しずつでもいいから、前進と革新を続けてほしいと思う。

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