ニトリnews|23年3月期9480億円16.8%増・経常1440億円/最終減益
(株)ニトリホールディングス(札幌市北区、白井俊之社長)が2023年3月期の本決算を発表した。期間は2022年2月21日~2023年3月31日。
売上高9480億9400万円(前年同期比16.8%増)、営業利益1400憶7600万円(1.3%増)、経常利益1440億8500万円(1.6%増)、四半期純利益951億2900万円(1.6%減)。当該年度は決算期変更の経過期間にあたる。2022年2月21日から2023年3月31日までの13カ月11日間となっていることもあり、増収、経常増益となったが、最終利益では24年ぶりの減益だ。
売上対比営業利益率は14.8%(17.0%)、経常利益率は15.2%(17.5%)。( )は前期数値。
ニトリ事業ではニトリ43店舗、デコホーム33店舗と積極的な出店を進めた。なかでも、ニトリ目黒通り店及びニトリ池袋サンシャイン60通り店は、実際の部屋をイメージした部屋型プレゼンテーションを多数展開した都内の旗艦店としてオープンさせた。2022年7月には、353店舗において開店時間を午前11時から午前10時に繰り上げた。また、家具や家電商品の無料配送や、一部商品のお試し価格での販売キャンペーン施策を実施した。
販売費及び一般管理費では、物流の効率化による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めた。以上の施策を講じたが、急激な円安進行や原油高に起因する輸入コストの上昇等により売上原価は増加した。
新しい買い方の提案では、前期から開始した「インスタライブ」に加え、顧客とのコミュニケーションをより密に取れる「ニトリLIVE」をニトリネット内に公開し、週2回配信を行った。
また、自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始した。
物流面では物流戦略プロジェクト推進の第一弾として、石狩DC(北海道石狩市)を2022年5月に竣工し、9月より北海道内への商品供給を開始した。11月に竣工した神戸DCは、2023年3月より関西圏への商品供給を開始した。
さらに、次年度以降の稼働を計画している名古屋DCを2022年7月に、幸手DC(埼玉県幸手市)を8月に、それぞれ着工している。内製化による効率化を進めているラストワンマイルの配送網の整備では、従前より東京23区を中心とした地域にてワンマン配送を行っていたが、その対象地域を関西圏にも拡大し、物流コストの抑制と配送の効率化を進めている。
海外事業では中国大陸で、感染症再拡大によるロックダウン等の影響により最大32店舗が営業停止となったが、2022年6月より全店で営業を再開するとともに、北京市への初出店を果たすなど出店を加速し、期中21店舗を出店した。
東南アジア地域では、マレーシアへの店舗展開が順調に推移し、期末7店舗となった。シンガポールへも初出店を果たし、東南アジア地域への店舗拡大を加速している。
島忠事業では2022年4月より、島忠の全店舗及びECサイト「シマホネット」においてニトリポイントの付与・利用が可能とした。またグループの配送網を活用した全国一律料金での配送を行った。既存店舗において、買い物利便性の向上を目的とした売場及び設備の改装を進めている。
次年度の業績見通しでは売上高9320億円(1.7%減)、営業利益1451億円(3.6%増)、経常利益1470億円(2.0%増)、当期純利益884億8600万円(5.1%増)を計画している。