H2Onews|第1Q売上高1548億円3.7%増・経常利益178.0%増

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が2024年3月期第1四半期の決算を発表した。

売上高は1548億1300万円(前期比3.7%増)、収益認識に関する会計基準等適用前の売上高に相当する総額売上高は2446億9300万円(7.4%増)となった。百貨店事業では堅調な国内消費に加え、免税売上高の回復が進んだことで売上高が伸長、食品事業では点単価の上昇により既存店は前年を上回り、連結全体で増収となった。

営業利益は47億5800万円(616.4%増)、経常利益は51億9200万円(178.0%増)、四半期純利益は33億7100万円(417.6%増)だった。

営業利益率3.1%、経常利益率3.4%。

百貨店事業の総額売上高は1235億0800万円(13.6%増)、営業利益は32億9600万円(169.3%増)。人流が回復に向かい、国内売上げは好調だった。免税売上高も高額商材を中心に回復が進み、コロナ前の2018年度実績を上回った。

阪急本店では、外出ニーズの本格化により全てのカテゴリーが前年を上回った。化粧品を含めファッション全般が好調で、ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドなどの売上げも伸長した。

販売費および一般管理費は、光熱費や売上増加に伴う販売手数料が増加したものの、宣伝費などのコストコントロールに努め計画を下回った。

食品事業の総額売上高は1030億9800万円(1.8%増)、営業利益は18億4200万円(332.2%増)。食品スーパーを経営するイズミヤ・阪急オアシス(株)、(株)関西スーパーマーケットでは、値上げの影響による客単価上昇トレンドの継続と、前年の内食需要の減退による苦戦の反動もあり、既存店売上げは前年を上回った。

イズミヤ・阪急オアシス(株)の既存店売上高前年同期比は3.5%増(客数0.2%減、客単価3.7%増)となった。

構造改革中のイズミヤと阪急オアシスでは、チェーンオペレーション徹底による生産性の改善、商圏特性に応じたMD再構築、仕入統合、経費の見直しなどの施策に取り組んだ。

販売費および一般管理費については、要員体制の最適化に取り組んだことで人件費を計画以上に削減し、前年実績、計画ともに下回った。

(株)関西スーパーマーケットの既存店売上高前年同期比は3.7%増(客数1.0%減、客単価4.7%増)となった。「健康経営」「生産性の向上」「教育」を3つの柱に掲げ、7連休の取得推進や禁煙サポートの実施、電子棚札導入店舗拡大に向けた実証実験、経営幹部と情報共有および意思統一を図ることを目的とした「店長・副店長・チーフ研修会」の実施に取り組んだ。

販売費および一般管理費については、全体的なコストコントロールにより、前年実績、計画ともに下回った。

なお、食品スーパー2社では、改装を3店舗で実施した。

惣菜やベーカリーを製造する食品製造子会社、(株)阪急デリカアイや(株)阪急ベーカリーでは、専門店売上げが好調となり、増益となった。

商業施設事業は、総額売上高80億8700万円(11.3%減)、営業利益10億2000万円(71.2%増)。イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発では、収益力強化、費用の適正化、地域との連携強化に取り組んだ。テナントの売上拡大に向けた取り組みや新規イベント区画の設置は計画以上の実績となったものの、直営売場の縮小やイズミヤショッピングセンターの店舗閉鎖により減益となった。

ビジネスホテルを運営する(株)大井開発では、宿泊需要が戻るなか、機動的な価格施策が奏功し、客室稼働率が90%を超えて推移し、増収増益となった。

通期は、売上高6750億円(7.5%増)、営業利益190億円(66.8%増)、経常利益185億円(42.3%増)、当期純利益95億円(42.0%減)を見込む。

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