マツモトキヨシHD第2四半期過去最高益もドラッグ大手3社では明暗

マツモトキヨシホールディングスは11月11日、2017年3月期第2四半期連結累計期間の決算を発表した。売上高2664億5400万円(前年同期比0.5%増)、営業利益134億6300万円(4.4%増)、経常利益147億800万円(4.5%増)、当期利益93億4100万円(21.5%増)。売上高および各利益とも同期間における過去最高となった。

通期では、売上高5550億円、営業利益280億円、経常利益303億円、当期利益184億円の見通し。

たが、ドラッグストア業界全体を取り巻く経営環境は厳しさを増している。業種・業態を超えた競合企業の新規出店、新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、そしてこれらを要因とする狭小商圏化など、課題が山積している。。

11日に出そろったドラッグストア大手3社の連結決算では、サンドラッグの第2四半期連結累計期間は、売上高2607億300万円(前年同期比5.5%増)、営業利益164億500万円(1.6%増)、経常利益167億8500万円(1.9%増)、純利益111億5500万円(6.2%増)で、増収増益となったが、売上高の計画よりは2%下回った。

ココカラファインの第2四半期連結累計期間の決算は、売上高1884億8500万円(前年同期比0.9%増)、営業利益38億9600万円(▲27.3%)、経常利益51億5800万円(▲21.5%)、純利益は29億1500万円(▲23.1%)となり、こちらも売上高は計画より2%下回り、年間の業績予想を下方修正した。

こうした中、マツモトキヨシグループでは、重点戦略として取り組む新たなビジネスモデルの構築において、次世代ヘルスケア店舗と位置付ける「matsukiyo LAB」の2号店(本八幡駅前店・千葉県市川市)を4月にオープンした。

matsukiyo LABは、薬剤師だけでなく、管理栄養士やビューティスペシャリストが常駐して、お客一人ひとりに合った商品・サービスを提供し、クォリティオブライフの向上を図ることを目的としている。
次世代ヘルスケア店舗を展開するうえで試金石として重要なケーススタディとなる。

<matsukiyo LAB 本八幡駅前店外観>完成予想図
マツキヨ

他方、団体旅行から個人旅行へと新たな段階を迎えたインバウンド需要に対しては、パスポートデータを活用して免税対応店舗の拡大(342店舗)を進め、新たに外国人をターゲットに、大阪の道頓堀や東京の上野といった観光地にも出店した。

しかし、訪日外国人観光客の消費には陰りが見える。円高でお客の消費意欲が頭打ちになっているのに加え、消費傾向も買物より観光や食事などの体験型へとシフトしている。

インバウンド消費の減退はまず高額品を主戦とする百貨店に現れ、安価な日用品や化粧品を扱うドラッグストアは比較的、堅調だっただけに、この変化の潮流は見逃せない。

マツモトキヨシでは今後も訪日外国人に対しきめ細かい対応を進めていくとしている。

一方、サンドラッグでは今後は店舗改装を進め、食品など、医薬品以外の品揃えを充実させ、割安感を訴求する。
ココカラファインは採算性の高い医薬品販売を強化するため、調剤薬局の併設店を増やす方向だ。

インバウンドに対する施策の見直しを含めて、ドラッグストアとしての経営戦略全体の再構築が求められている。

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