セブン&アイ第3四半期は営業収益▲5%、営業利益5%増

セブン&アイ・ホールディングスは1月12日、2017年第3四半期の連結決算を発表し、第3期までの累積業績(2016年3月1日~11月30日まで)も明らかにした。

その累計営業収益は4兆2889億2900万円(前年同期比▲5.0%)、営業利益2740億600万円(同5.0%増)、経常利益2764億100万円(同6.6%増)、当期利益755億3800万円(同▲39.8%)となった。

営業収益は、事業別にみれば金融関連事業が増収だった。しかし、主に為替レート変動に伴う影響によって1562億円目減りした。原油安に伴うガソリン価格の下落により、北米コンビニエンスストア事業のガソリン売上高も474億円減少した。さらに、百貨店事業や通信販売事業なども苦戦して、減収となった。

営業利益は、同じく為替レート変動に伴う影響によって60億円減少。だが、国内のコンビニエンスストア事業や総合スーパー事業で粗利益率が改善してプラスになった。第3四半期連結累計期間として、営業利益、経常利益ともに4期連続過去最高の数値を達成した。

当期利益は、総合スーパー事業のイトーヨーカ堂や、百貨店事業のそごう・西武の店舗閉鎖や改装に伴う減損損失を含む特別損失を計上したことにより、前期に比べて499億円減少した。

グループのプライベートブランドである「セブンプレミアム」の売上げは、前年同期比で18.1%増の8750億円となり、年間計画1兆1500億円(14.9%増)に対して順調に推移した。

セブン-イレブン・ジャパンと7-Eleven,Inc.における加盟店売上高を含めた「グループ売上高」は7兆9093億5100万円(▲1.4%)。

次いでセグメント別概況。

コンビニエンスストア事業では、国内店舗については、積極的な立地移転を行い、同時に新規出店における基準を厳しく見直した。
商品については、サンドイッチ、フライヤーなどの基本カテゴリー商品の牽引による既存店売上高伸長と粗利益率の改善により増益。2016年11月末現在で1万9166店舗(前期末比594店舗増)を展開している。

北米の7-Eleven, Inc.は、原油価格下落などによるガソリン売上げの減少でマイナスになった。チェーン全体全店売上高は2兆270億4400万円(前年同期比▲9.5%)となった。2016年9月末時点で8568店舗(前期末比68店舗増)を展開している。中国では、同9月末時点で北京市に207店舗、天津市に76店舗、成都市に62店舗を運営している。

スーパーストア事業では、総合スーパー事業のイトーヨーカ堂は既存店売上高がマイナスになったが、販売促進策の見直しや粗利益率の改善により、増益となった。期間中に3店舗を出店したが、並行して11月末までに8店舗を閉鎖し、構造改革を推進した。店舗数は2016年11月末時点で177店舗(前期末比5店舗減)。中国における総合スーパーは、2016年9月末時点で成都市に6店舗、北京市に4店舗を展開している。

食品スーパーは、2016年11月末時点でヨークベニマルが南東北地表を中心に211店舗(前期末比6店舗増)、ヨークマートが首都圏中心に78店舗(前期末比2店舗増)を運営。

百貨店事業では、そごう・西武の店舗閉鎖や改装に伴う減損損失があった。既存店売上高は、衣料品を中心に伸び悩んだ。そごう・西武は2016年11月末時点で21店舗(前期末比2店舗減)を運営している。

フードサービス事業では、レストラン事業において、デニーズの客単価の落ち込みが影響し、既存店売上高伸び率は前年を下回った。

金融関連事業のセブン銀行は増益。ATM設置台数の増加に伴い、期間総利用件数は前年を上回った。ノンバンク事業においても、クレジットカード事業や、電子マネー事業とも、取扱高が増加し、順調に推移した。

通販事業は、売上高871億6900万円(▲24.9%)、営業損失は77億2600万円で、前年同期と比べ、損失が4億3000万円拡大した。

減収の要因となった百貨店事業や通販事業の立て直しが急がれる。一方、グループの横断的取り組みとして推進しているオムニチャネル戦略は、戦略の抜本的見直しに着手しているが、商品力と品揃えの拡大、スマホ用アプリの開発など、よりスピード感をもった対応が求められる。

なお、通期は、売上高5兆7700億円、営業利益3530億円、経常利益3510億円、当期利益800億円の見通しである。

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